日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成18年12月28日
  • 日本政策投資銀行

白扇酒造(株)に対し、「みりん」を担保に
アセット・べースト・レンディング(ABL)を実施

  1. 大垣共立銀行(頭取:土屋嶢)と日本政策投資銀行東海支店(支店長:小笠原朗)は、白扇酒造株式会社(代表取締役社長:加藤孝明)の主力商品である長期熟成みりん(「福来純三年熟成本みりん」)の在庫を担保に協調してABLを実行致しました。本件は、企業在庫を独自に評価・買取を行う世界最大手の米ゴードン・ブラザーズ・グループと日本政策投資銀行のファンド等が共同して設立した株式会社ゴードン・ブラザーズ・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮崎恭一)が在庫の買取価格や管理体制を厳密に分析・評価を行い、大垣共立銀行と日本政策投資銀行は、かかる分析結果を踏まえて長期熟成みりんの高い市場価値を担保に活用している点が特徴です。日本政策投資銀行が地元地銀と協調して、こうした在庫の市場価値に着目してABLを組成したのは全国初の取組みであり、資金調達に未活用だった在庫の活用方法としてモデルケースとなることが期待されます。
  2. 白扇酒造株式会社は、江戸時代後期より続く地元の老舗酒造メーカーで、清酒・焼酎に加え古式製法を用いた希少価値の高い長期熟成みりんの製造・販売を行っています。当社の長期熟成みりんは、ユーザーである有名料理店や料理雑誌等の媒体から高い評価を得ており、近年では大手百貨店の催事売場への出店やインターネット販売等で一般消費者からも高い支持を獲得しております。
  3. 今回、大垣共立銀行と日本政策投資銀行は、長期熟成みりん等の製造にかかる長期運転資金を協調融資(融資総額1億円・融資期間5年)致しました。この長期熟成みりんの製造には、伝統的な製造工程を経て完成品となるまでに約3年を超える熟成時間が必要になることから常に一定の仕掛品在庫が存在する一方で、熟成度合いが高まるにつれて商品価値が増すという特徴があります。本ABLはこのみりんのブランド力に着目し、従来ハンデとされてきた在庫を活用することにより当社資金調達手段の多様化を図るものであり、当社と金融機関が事業の状況を共有する仕組み(モニタリング)を通じたリスク低減効果も期待できます。
  4. 大垣共立銀行及び日本政策投資銀行は、地域金融機関の「地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム」にかかる協力を進める中で、在庫等資金調達に未活用な資産を活用したファイナンス手法を通じて地域中堅・中小企業の資金調達手法の多様化を支援し、地域産業の活性化に貢献してまいります。

以上