日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成19年6月22日
  • 日本政策投資銀行

国内CO2削減ファンド「エナジーバンク」の設立と運用について

日本政策投資銀行(総裁:小村武)、株式会社日本スマートエナジー(社長:大串卓矢)の2社は、国内初の二酸化炭素(CO2)排出削減設備導入を目的とするファンド 「エナジーバンク」を共同で設立し、本日、大阪ガス株式会社(社長:芝野博文)とエナジーバンクはファンド運営に関して合意いたしました。平成19年8月1日にファンドの運用を開始いたします。

わが国は京都議定書の批准により地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を削減するという大きな課題を抱えています。一方、民生・業務部門におけるエネルギー消費は増加の一途をたどり、温室効果ガスの一つであるCO2の排出量が年々増加し続けているのが現状です。

このようななか日本政策投資銀行は、政策金融機関として環境分野におけるプロジェクトを重要なものと位置付け、過去40年間において約3兆円の投融資を実施してまいりました。大阪ガスは、環境に優しい天然ガスを利用した省エネルギー設備をお客さまにご提案し、お客さま先での環境負荷の低減を積極的に進めてまいりました。日本スマートエナジーは、CO2排出削減にむけ、企業の削減努力を評価し、アドバイスすることを通して企業の環境貢献活動を支援してまいりました。

このたび運用を開始するエナジーバンクは、この3社の「金融ノウハウ」、「省エネルギー設備導入ノウハウ」、「CO2削減評価ノウハウ」を最大限に活用し、天然ガスを利用した省エネルギーおよびCO2排出削減に寄与する設備等への投資を進めることで、民生・業務部門等においてCO2の排出を削減することを目指してまいります。

エナジーバンクの概要は以下のとおりです。

1.エナジーバンクの特徴

エナジーバンクでは、初期投資の大きな負担と省エネルギーノウハウの欠如が、民生・業務部門等において省エネルギーが進まない要因であると捉え、この要因を解決できるエネルギーサービス※1に必要な設備をエナジーバンクの投資対象として、民生・業務部門等におけるCO2の排出削減を図ってまいります。

※1 エネルギーサービス:事業者がお客さま先に省エネルギー設備を持ち込み、必要な熱・電力等のエネルギーを供給します。事業者はその対価としてご使用になった熱・電力等のエネルギー量に応じたサービス料金をお客さまから受け取ります。お客さまは設備導入の際に必要な初期投資を行なわず省エネルギー設備を導入することができます。大阪ガスでは、このエネルギーサービススキームを「エコウェーブ」と称し、平成13年から事業を開始し、平成19年3月末時点では民生、業務部門を中心に672件の成約実績があります。

また、エナジーバンクは運営面において、大型案件を対象とする従来の一対一型の資金調達特別目的会社(SPC)ではなく、複数案件を一つのSPC内に包含する仕組みとしたことで、1案件あたりのSPC運営コストを低減いたしました。さらにエネルギーサービス事業のリスクを、効率的に負担できる専門機関で分担することにより運営コストをさらに極小化いたしました。

2.エナジーバンクにおける3社の役割

お客さまが省エネルギー設備の導入を決められた場合、エナジーバンクが導入対象設備の省エネルギー性を検討のうえ、日本政策投資銀行の環境関連制度融資を受け設備を調達し、同設備を利用したエネルギーサービスを大阪ガスに委託します。大阪ガスは、お客さまとエコウェーブ契約を締結し、同設備の設置、維持管理、保守メンテナンス、エネルギー使用量の測定を行います。また、CO2排出削減効果の検証は、日本スマートエナジー等が有する評価ノウハウを活用し今後検討していく予定です。

3.エナジーバンクの目標

エナジーバンクの設立と運用により、これまで省エネルギー設備の導入を見合わせていた企業においても日本政策投資銀行からの資金を活用でき、また自ら設備を所有する必要がないため、導入促進に弾みがつきCO2排出量削減を進めることが可能になります。エナジーバンクは多様な企業による省エネルギー設備の導入を支援することで、主に民生・業務部門等における国内のCO2排出削減に寄与します。目標として当初3年間で省エネルギー設備150億円の導入を目指します。

【各社の概要】

株式会社日本スマートエナジー

所在地: 東京都港区虎ノ門1丁目12-14
事業内容: 環境専門の会計事務所
設立日: 平成18年6月13日
資本金: 3,010千円(平成19年5月末現在)

大阪ガス株式会社

所在地: 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号
事業内容: ガスの製造、供給および販売、LPGの供給および販売、
電力の発電、供給および販売、ガス機器の販売、ガス工事の受注
設立日: 明治30年4月10日
資本金: 1,321億円 (平成19年3月末現在)

以上