MESSAGE メッセージ 執行役員 人事部長 小林 真五

現有のスキルや専門性に安住することなく、
プラスαの能力を身につけて
新たな価値提供に挑戦したいという方をお待ちしております。

DBJがキャリア採用を実施する理由

私ども株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJ)は、1951年に旧・日本開発銀行として設立以来、移り変わる社会課題に対応し、自らの業務や組織を大きく進化・発展させてきた金融機関です。設立後間もない戦後復興期には経済再建の基盤となる重工業などの基礎的産業に長期融資を行い、高度経済成長期にはエネルギーや運輸、自動車を中心に産業の発展を支え、1970年代以降は国民生活の質的向上や新規産業の振興に寄与すべく地域開発、都市開発、ベンチャー支援などへと業務領域を広げてきました。また、2008年からは株式会社日本政策投資銀行法の下に、長期融資とリスクマネーへの投資、M&A等のアドバイザリー業務、アセットマネジメント業務を一体的に提供できる独自のビジネスモデルを構築し、これを強みとすることで社会の持続的発展に貢献してきました。

そして今、社会経済環境が急激に変化する中で顧客企業の経営課題はさらに複雑化しており、これに対応してDBJの事業ドメインも変容しています。事業ドメインを拡充し新たな価値提供を実現していくには、様々なバックグラウンドを持つ人材の知見と発想が不可欠であり、それがキャリア採用を積極的に推進している最も大きな理由です。前職の事業分野に関わらず、様々なスキルセットとプロフェッショナリズムを持つ方々にご活躍いただきたい、そのような期待からキャリア採用を実施しております。

キャリア採用の人材に求める資質や行動特性

DBJには、日本の金融市場のフロンティアを切り拓くという使命があります。新たな事業やサービスに挑む際には関係者との複雑な調整が必要となるなど、実現のハードルも高くなりますが、我々は常にその困難を乗り越えて行かなければなりません。したがって、当行の職員となる方には、自身を律し、鼓舞し、今ある世界に安住せずに自ら踏み出す進取の気性と、高いレベルのチャレンジ精神を期待しています。これまでに培ったスキルセットを活かしながらも、それに安住せず、積極的に新しい分野のスキルセットを身につけるべく挑戦できる方を歓迎したいと思います。

加えて、DBJの企業理念やビジョンに対する理解と共感も重要です。DBJでは経済価値と社会価値、収益性と公益性の両方の追求を掲げており、職員はそのマインドを共有しています。公益性には様々な側面があります。例えば投資業務では、成長分野に資金を投じ、適正な果実を得て、それを再配分すること、これにより資金の好循環を創出すること、それ自体が公益性の高いプロセスであると私は思っています。誤解されやすい点であるため強調しますが、DBJは政府系金融機関であるという理由だけで社会価値や公益性を追求しているわけではありません。例えば、海外のソブリン・ウェルス・ファンドなどはむしろ利益至上主義であり、運用収益により国富を最大化することを目的とするのが一般的です。政府が100%出資しているから必然的に公益性を求めるということではなく、後世に憂いのない社会を築くため、わが国が今後も世界に伍していくために何が必要なのかを突き詰めて考え、その先鞭をつける、一歩先を行く取組みをすることは、設立以来受け継がれてきたDBJ職員の行動特性であり、私どもが志望者の方々に期待する姿勢でもあります。

人材育成と処遇について

人材を育てる上で最大の教育効果があるのは実務(OJT)であると考えていますが、業務外の研修も極めて重要です。金融は日進月歩の世界であり、年長の経験者による伝承からでは得られない知識も加速度的に増えているからです。DBJでは絶えず育成メニューの増強・刷新を図り、実践的な業務スキルはもちろん、ヒューマンスキルも含めた多角的な人材育成施策を推し進めており、様々な研修機会を用意しています。

キャリア採用者向けに近年実施した特色あるメニューとして、オックスフォード大学との戦略提携による研修を挙げたいと思います。これは、従来は若手向けのグローバル人材育成プログラムとして開催してきたものを、新たにキャリア採用者向けにも導入したものです。オンライン形式で講義を受けるとともに、社会全体を幸福にするにはDBJとしてどのような判断が必要であるか、その判断が自らのキャリア観と抵触する場合にはどうするべきか、といった根源的な議論を行い、仕事と向き合う上での観点や姿勢について理解を深め、組織の方向性と個々人のキャリアとのアラインメントを考えられるユニークな内容となっており、参加者にも非常に好評です。

また、処遇という観点でも、新卒採用かキャリア採用かを問わず分け隔てなく、異動・昇進などあらゆる面で、実力のある人材が適正に評価され処遇される職場環境となっています。

自身のキャリアについて

私たちの世代が学生時代を過ごした1990年代の初めは、日本社会がすでに成熟していたこともあり、明確な職業意識を持って社会に出るというよりは、自分に何ができるかを模索する時代であったように思います。ですから私も、まずは色々なことにトライできる環境が整っている組織を志向し、当時の日本開発銀行の門を叩きました。

入行当初に国際業務部(当時)で対日投資促進を担当したのを皮切りに、関西支店、審査部、海外留学、人事部、経営企画部などを経験し、その後は投資業務にも長く携わりました。関西支店では、法人営業担当者として様々な経営者の考えに触れ、企業経営についての知見を広げるとともに、個を大事にしながらもチームで互いの能力や経験にレバレッジをかけることでより大きな成果を実現するということが経験し、まさにその後の職業人生のベースとなる2年間であったと思っています。続く審査部では、バブル崩壊後の金融危機に対峙し、日本の主要企業が倒産の瀬戸際に立たされる状況下、若手の審査担当者として膨大な枚数の審査調書を取りまとめ、企業の帰趨を判断する、やりがいは大きいですが非常に責任の重い仕事をしていたという記憶があります。その後、海外留学等を経て人事部へと移り、採用業務を含む様々な経験を通じて、人を見る目、人を評価する能力を養いました。

そして、入行15年目となる2007年に香港の投資ファンドへ出向、これを契機に国内外で延べ約8年間、投資業務に携わることとなります。香港では、世界中から集まった優秀なファンドマネージャーと共に仕事をしました。彼らは徹底したデュー・ディリジェンスを行い、分厚い投資調書を作成していましたが、これは私が審査部時代に作成していた審査調書と趣旨を同じくするものでした。多くの投資判断において経営者の評価は最も重要な分析要素であり、これは人事部での私の経験が活かせる分野でありました。

すなわち、意外に思われるかもしれませんが、DBJでの審査や人事の経験は、実は投資の世界でも非常に役立つものであったのです。

融資や審査を経験し、留学、そして、人事...。私の過去のジョブローテーションは一見関連性が無いようでいて実はすべてが繋がっており、重層的な経験があればこそ、投資業務を担うに足りるスキルセットができたのだと実感しています。

スペシャリストであり、ゼネラリストでもあるということ

キャリア採用にご応募頂く方の多くは、ご自身の持つスキルや専門性に自信をお持ちだと思いますし、確かに私どももそのような専門性も評価して採用活動をさせて頂いているところです。しかしDBJの業務では、スペシャリストであると同時に、ゼネラルな素養も重要となってきます。そのために、DBJでは複数の部門にわたる戦略的なジョブローテーションを行っています。例えばストラクチャードファイナンスを組成する際には、中立的な立場で他の金融機関をはじめとする様々な関係者の意見を調整し、案件を主導していくことになります。ここでは、ファイナンスの知識だけでなく、人を巻き込む能力や折衝・管理能力といったゼネラルなマネジメントスキルが必要です。

ゼネラルマネジメントと言うと、「何でも屋」のようなイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。ビジネスの世界では総合的な経営能力が実は最も高く評価されています。それは経営能力を発揮するということが、究極の専門性であるからです。DBJの職員には、経営的な視点を持ってお客様と対峙し、企業が抱える様々な課題を解決へと導いていく役割と、そのような役割を果たすマインドや能力が求められます。言わば、お客様の経営陣の一角を担うという意識で、その発展に貢献していける存在でなければなりませんし、そこにDBJで働くことの喜びがあるとも言えるでしょう。

このことは、キャリア採用の方々も同じであり、お客様企業の担当者として幅広い役割を果たして頂くことを期待しています。過去の経験やこれまでに培ったスキルセットをベースとしながら、そこに留まらず、スキルの幅を広げ、ご自身の新たな可能性を追求していって頂きたいと思っています。

応募者へのメッセージ

わが国の企業は現在、グローバルな大競争時代に勝ち残るべく必死の闘いを繰り広げています。業界の境界線が消えつつある中で、事業の再構築を図る流れも加速しています。必要な技術は何なのか、いかにして人を集めるか、どのような方法で資金を調達していくか、経営者の悩みやニーズは多様化・高度化しています。今という時代に求められるのは、広範なニーズにすべて対応していけるDBJのような組織なのだと強く思います。加えて当行は少数精鋭であるため、一人ひとりに与えられる裁量も大きく、主体的な判断で仕事に挑むことが可能です。

確かに、真の意味でお客様の事業にコミットし、課題解決を図るのは容易いことではありません。しかし、絶えずスキルセットを刷新し、専門性をシャッフルしていけば、いつまでも能力を高め続けていけると思います。

DBJへの転職を志望されている方々は、これまでの経験を通じて獲得されてきた専門性に自信をお持ちの方が多いと思いますが、私どもが最も重視しているのは「現状に安住しない姿勢」です。今の自分にプラスする何かを見つけたいという方、自己の可能性を開拓することにより社会に対する提供価値を拡げたいという方に、ぜひご応募頂きたい。様々なご活躍の場を用意して、お待ちしております。

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