Story
INTERVIEW
DBJの人と仕事
業務に天井は決めない。
主体的かつ
クリエイティブな取り組みが
自らを、そしてDBJを成長させる。
MAYUKO KUNOGI
久能木 真由子
2018年入行
業務職|都市開発|融資|
アドバイザリー・コンサルティング
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1年目〜
企業戦略部
M&Aアドバイザリー業務に従事。お客様の意向に沿った買い手・売り手の探索や選定支援など、フロント業務を担当。
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3年目〜
アセットファイナンス部
アセットファイナンス案件について行内外の関係者との調整、投融資実行にかかる諸手続き、投融資先物件のモニタリングなど、フロント業務からミドルバック業務まで幅広く担う。
「日本経済の発展に貢献し人々の生活を支えられるような仕事がしたい」との想いを胸に入行。入行後は、企業戦略部でM&Aアドバイザリー業務に従事し、フロント業務担当者として、国内企業の事業や会社全体の売却、買収という総合的な経営戦略の実現を支援した。入行3年目にアセットファイナンス部へ異動してからは、不動産ビジネスの最前線にて業務に邁進中。

案件の始まりから終わりまで。
総合職とともに最前線に立ち、
業務を進める。
―― 現在どのような業務を担当していますか?
アセットファイナンス部では、オフィスビルや商業施設、物流施設、レジデンスなどといった投融資の対象となる不動産が、将来どの程度の収益を生み出せるのかという、物件そのものの収益力に着目したアセットファイナンス案件を扱っています。その中で私は、お客様との対話を最前線で行うフロント業務を担当しています。案件の入口から、実行後の管理フェーズまで幅広く携わるうえ、コミュニケーションを円滑・的確に行うために案件についての深い理解が求められますが、その分学びややりがいも大きいと感じています。
―― 新しく物件に投融資する際の、一連の流れを教えてください。
対象となる不動産の事業計画をもとに、実際に現場に足を運んだり、関係者にヒアリングをしたりして、物件の価値を適切に評価するところから業務が始まります。次に、それを踏まえて投融資の実行に向け、行内外の関係者との様々な調整作業に入ります。アセットファイナンス案件は関わるプレイヤーの数が多いため、利害の異なる当事者間で合意を得るのは容易なことではありません。その中で、弁護士や法務部の力も借りながら契約の内容に漏れがないかを確認し、関係者との調整のお膳立てをするのも業務職の重要な仕事です。
―― では、投融資を実行した後は?
当初の事業計画と実際の収支に乖離がないかを確認するモニタリング業務を行います。コロナ禍で、在宅勤務の常態化により都心を中心にオフィス需要が軟化した半面、ECの進展により物流施設の需要が拡大するなど、市場環境は当初の想定を超えて変化しています。投融資先から提出される報告資料だけでなく、そうした外部環境の情報収集も行うことで、総合的に事業の状況を分析する必要があり、DBJにとってリスク管理の最前線の業務を担っているという責任を感じます。
―― そうした業務を行う中で、何か工夫していることはありますか?
DBJとして、多種多様な案件を抱えながらも、継続して安定的な収益を確保するためには、俯瞰的な視点から状況を把握することが重要ですが、そこで大きな役割を果たしているのが、行内のすべてのアセットファイナンス案件を横断的に管理するデータベース(DB)です。地道で細かな作業ではありますが、DBの管理・運営は欠かせない仕事の一つ。実は現在、データの出力に特化した業務効率化のための新たなツールの開発を進めています。これによって作業負担が軽減できれば、より創造的な仕事に回せる時間が増えると思い、先導してチームの意見をとりまとめています。後世でも活用してもらい、役立つツールだと思ってもらえたら嬉しいですね。
職種・年次を問わず
担える役割が大きく、
幅広い経験を積める環境。
―― 現部署の業務で、特に印象に残っているものがあれば教えてください。
アセットファイナンス部へ異動してきて1年目に取り組んだ、オフィスや物流施設、商業施設等を保有する私募ファンドに対して、数十億円規模の融資を実行するというものです。異動して間もない中で主担当として任せてもらい、先程お話しした一連の流れを、副担当の総合職の方にもサポートしてもらいながら一つひとつ進めていきました。行内だけでなく、お客様や外部関係者との調整も多かったのですが、前部署の企業戦略部で培った対話力や関係構築力を活かして何とかやり抜くことができ、大きな自信につながりました。
―― その案件から、どのようなやりがいが感じられましたか?
私はもともと、日本経済の発展に貢献し人々の生活を支えられるような仕事がしたいという想いでDBJに入行しました。融資先のファンドが取得した建物を実際に目にした時、業務を通して社会の重要なインフラを支え産業や経済の発展に貢献していることを実感し、想いがかたちになっていく喜びがこみ上げてきたのを覚えています。
また、職種・年次に関わらず、単純な事務作業だけでなく、DBJの担当者として案件を主体的に進める役割も担わせてもらっている点に、DBJらしさを感じます。
―― 仕事をするうえで、心がけていることは何ですか?
業務の天井を決めずに仕事をする、ということですね。たとえ自分の業務の範疇外かなと思うようなことでも、気づいた点があれば上司や同僚に積極的に働きかけるよう意識していました。そのためにも、すべての作業の目的を理解したうえで仕事を進めるよう心がけています。手だけを動かす、作業のための作業になってしまうと思わぬミスをしかねませんから。

丁寧なOJTを通じて、
着実にステップアップ。
―― 初期配属の企業戦略部では、どういった業務を?
M&Aといわれる、企業や事業の買収・売却に関するアドバイザリー業務の中で、現部署と同じくフロント業務を担当していました。お客様の意向に沿う買い手や売り手を探したり、株式の取得や事業の買収といった案件特性に応じたスキームの提案を行ったりするのが仕事です。金融のみならず事業ごとの様々な規制を遵守したうえで、これまで積み重ねてきた経験をもとに、お客様にとって最適な提案をどうまとめていくか。制約条件をクリアしながら、提案を論理的に組み立て、議論し、再構築していく過程に面白さを感じました。案件の性格上、秘匿性が極めて高く、少人数のチームで対応するため、入行1年目から資料の作成やお客様対応等で、様々な部署や立場の方と協働する機会に恵まれ、行内外における関係構築力を早くに身につけられたと思います。
―― それはどのように鍛えられたのですか?
上司とのコミュニケーションによるところが大きかったと感じています。新人だった私は、報告・連絡・相談を意識して業務にあたっており、中でも緊急性の高いものは、すぐに上司に相談するようにしていました。すると上司は助言を与えてくれる一方で「久能木さんならどうしたら良いと思うか?」と、自分自身で思考する力を養うような問いかけをしてくれたのです。こうした指導のお陰で、1年目から自分で考えて論理的に説明することを意識するようになり、着実なステップアップにつながっていきました。ハードルの高い業務にも粘り強く取り組んだ経験が、いまの私を形成しています。
―― 企業戦略部の業務で、特に印象に残っている案件があれば教えてください。
ある企業がコロナ禍のあおりを受けて、ホテル事業の売却を検討するという案件です。特に印象的だったのは、経営者のこれまで続けてきた事業に対する格別な思い入れ。単に店じまいをして、できるだけ多くの資金を回収したいということではなく、地元に根を下ろし、自分たちの積み重ねてきた歴史を何とか後世に残したい、という想いに胸を打たれました。学生時代にも経営者からお話を伺った経験があり、知っているつもりでいましたが、ビジネスの現場での圧倒的な臨場感と本音のぶつかり合いに目が覚める思いがしたのです。社会人1年目から、DBJが思いを致すべきことに直面し、DBJの一員としての思いを新たにするきっかけとなった出来事でした。
業務効率化こそ業務職の腕の見せ所。
創造的に働く楽しさと意義を
後進に伝えていきたい。

―― 今後やってみたいことは?
入行以来、続けてフロント業務を担当してきたので、今後はミドルバック業務を通じて投融資実行に必要となる出納などの様々なプロセスを学び、案件の全体像をより深く理解したいと思っています。これまでの経験からフロント業務の流れや視点を心得ているので、それを活かした先回りの対応や、能動的な働きかけをしていきたいです。
―― その先に描く、なりたい姿を教えてください。
行内外を問わず信頼関係を構築して、チームメンバーやお客様に対して自分ならではの付加価値を提供できる存在になりたいですね。また、私はこれまで業務の効率化や高度化の視点を大切にしてきました。そうすることで、より有意義に使える時間が増え、アイデアも生まれやすくなるからです。先に述べた新しいツール開発もその一例ですが、こうした取り組みを通じて業務職の後輩たちにも、DBJにおいて業務職がクリエイティブに働くことの楽しさとその意義を、私なりに伝えられたらと思っています。