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インフラ再構築・強化

CO2排出量削減の推進、電力・ガスの自由化など、
転換期を迎える「エネルギー分野」、グローバル化と世界の人口増大にともない、
ますます高度化が求められる「運輸・交通分野」、
都市基盤が更新期を迎えるとともに、環境や社会に配慮した
街づくりが求められる「都市開発分野」といった、
日本社会の“基盤づくり”をDBJは金融の力で後押ししていく。

ENERGY
エネルギー

世界の人口は、現在の70億人超がそう遠くない将来100億人に達すると予測されている。人口増は世界経済の発展に寄与すると期待される半面、エネルギーの確保に深刻な懸念を生じさせている。とりわけ、エネルギーの自給率が7%でしかない日本にとっては、長期的な安定供給体制の構築が急がれる。日本の電力消費量は中国、米国に次ぎ世界第3位のエネルギー消費大国でもある。今後も経済や、あらゆるモノが通信機能を持つIoT(モノのインターネット)の発展・拡大によりさらなる消費増が見込まれる。

DBJは地球温暖化の進行などを背景に、温室効果ガスの排出量を削減し、低炭素社会を構築するために、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギー事業を地域金融機関などと協調して金融面から支援。ファイナンスの組成支援に加え、事業に即した最適スキームによる資金提供などにより、全国各地の事業をサポートしている。

CASE STUDY
株式会社グリーンエナジー津

グリーンエナジー津は、バイオマス燃料による発電事業を行うためにJFEエンジニアリング(以下、「JFEE」)によって2014年2月に設立された。DBJは同社に対し、「競争力強化ファンド」を活用してJFEEなどと共同出資。同ファンドを通じたメザニンローンの供与にも合意しており、シニアローンの貸出人である他の金融機関2行と役割分担しながら、プロジェクトファイナンス方式による全体のアレンジメントを行っている。

本事業は、未利用間伐材などを燃料とする発電出力約20メガワットの発電所を建設・運営するもので、津市が推進する環境にやさしく、災害に強いまち・むらづくりをめざす『バイオマス産業都市構想』にも合致。合わせて地域産業の競争力強化や、地域の雇用の質と量の向上にも貢献することから、地域創生に資する取り組みとして地元からも大きな期待が寄せられ、2016年8月に完工した。

写真提供:㈱グリーンエナジー津

TRANSPORTATION
運輸・交通

鉄道、道路、空港、港湾などの交通インフラは、経済活動を支え人々の暮らしを豊かに便利にするための基盤である。

ところが、これまで日本の経済発展を支えてきた交通インフラにも課題は存在する。例えば老朽化した公共インフラの更新は、物流をはじめとした経済基盤や人々の生活基盤維持のために不可欠なものといえよう。さらに、恒常的に過密化している都市交通網における輸送力増強・効率化もそこに生活する人々の利便性向上につながる。空港の整備や航空ネットワークの拡充も増加する訪日旅行客へのおもてなしには欠かせない。人やモノが国内外でより縦横に移動する現在だからこそ、交通インフラが抱える課題の解決は重要である。

DBJは長年にわたって長期的な視点に立ったプロジェクトの形成をはじめ、中立的な立場を活かして複数の企業の連携をサポートしながら交通インフラの整備・拡充に尽力してきた。利用者の高齢化や環境問題に配慮しながら、交通インフラが抱える課題解決に向かう事業者を支援し続けている。

CASE STUDY
京王電鉄株式会社

その一例が、京王電鉄の「調布駅付近連続立体交差事業」への融資である。

同社は新宿駅を起点とする京王線と、渋谷駅を起点とする井の頭線からなり、総営業キロ84.7キロの路線を運行する鉄道事業者。踏切による交通渋滞の解消や事故の防止、都市計画道路の立体化による市街地の一体化、利用者の利便性向上を図ることを目的に、事業主体の東京都、調布市とともに同事業に取り組み、2014年度に完了させた。

同事業により、京王線の柴崎駅~西調布駅間及び相模原線の調布駅~京王多摩川駅間が地下化され、18箇所の踏切道を解消し、8箇所の都市計画道路が立体化された。

さらにこれまで鉄道によって分断されていた市街地の一体開発や線路だった土地の有効活用を図ることが可能となり、2017年度には商業施設「トリエ京王調布」を開業した。

DBJは輸送サービスの向上を通じて沿線住民の暮らしを豊かにし、沿線地域の発展に貢献する事業を高く評価し、融資を通じて京王電鉄を支援した。

写真提供:京王電鉄㈱

URBAN DEVELOPMENT
都市開発

都市基盤や都市機能の整備・高度化は、住まい手や働く人々にとってきわめて重要かつ大きな関心事でもある。訪日外国人が増加した近年は、観光地として、またビジネス立地として日本の魅力を訴求する上でも重要な問題である。DBJは1960年代から不動産事業への長期ファイナンスに取り組み、不動産証券化市場にはその黎明期から参画し、市場の活性化に取り組んできた。長年にわたって蓄積してきたノウハウやネットワークを活用し、ノンリコースファイナンスをはじめ様々なソリューションを提供しているほか、2011年度から「DBJ Green Building認証」制度の運用を開始し、環境や社会に配慮した取り組みを金融面からサポートしている。

2021年の東京五輪に向け、計画・検討されている都市開発プロジェクト・インフラ整備の状況を精査し、これらを契機にビジネス機会創出につなげる調査にも取り組んでいる。次代を見据えて快適な都市環境を整備することで、新たなビジネス機会が創出でき企業活動がいっそう活発化し、新たな文化が生まれ社会が活性化するはずである。

CASE STUDY
近鉄グループホールディングス/あべのハルカス

地上300メートルと日本一の高さを誇る超高層複合ビル「あべのハルカス」。近鉄日本鉄道*が開発したこのビルには、百貨店、ホテル、美術館、展望台などの都市機能のほか、大学や大規模クリニックモールなどもテナントとして入居するオフィス機能を擁し、2014年3月の全面開業以降、連日多くの人で賑わいをみせている。「あべのハルカス」は、最高水準の耐震性能の実現や先進的な環境技術を採用するほか、鉄道7路線が利用できる大阪屈指のターミナル駅に直結しており、市内外の交通拠点として、関西国際空港や大阪国際空港からのアクセスも良く、大阪の南の玄関として、アジアだけでなく広く世界との新しい結節点となることが期待されている。

DBJはその竣工・オープンに先立ち、「DBJ Green Building認証※」で最高ランクを付与するとともに融資を実施した。持続可能な社会の実現に向け、環境や社会に配慮した都市の開発・再生に対する取り組みを積極的に支援していく。

*近畿日本鉄道が開発し、現在は近鉄不動産所有
※「DBJ Green Building認証」:不動産の環境性能や防災・コミュニティへの配慮などをDBJが独自に開発したスコアリングモデルにより評点化し、優れた不動産を選定・認証する制度

写真提供:近鉄不動産㈱