地球温暖化研究センターのご案内
地球温暖化研究センターとは
地球温暖化問題に象徴される地球環境問題は、今日、わが国がグローバルな視点で取り組むべきもっとも重要な政策課題の1つです。DBJでは前身である日本開発銀行が1960年度に初めて公害防止融資を開始して以来、これまで主に国内のさまざまな環境問題に対して金融面から対応を図ってきました。しかし近年の環境問題は全地球的規模に及び、もはや国内だけの対応では根本的解決は図れない状況となっています。
地球温暖化現象をはじめとする地球環境問題はすぐれて経済的な問題であり、設備投資研究所では、宇沢弘文先生を中心とする研究グループが国内でいち早く、経済理論に立脚した基礎研究を進めてきました。1993年には研究所内に「地球温暖化研究センター」(Research Center on Global Warming)を設置し、地球温暖化等の地球環境問題ならびにこれらに関連した諸問題について、経済学的研究分野を中心に学際的研究を開始しました。
センターでは宇沢弘文先生のお考えに基づきながら、経済活動と環境との関わりについて、主に次の3つの観点から基礎的研究を行っています。
- 大気安定化など地球環境に係る理論経済学的分析・実証分析
- 社会的共通資本としての自然環境の分析
- 社会的インフラストラクチャーや制度資本などの分析
これまでの主な活動
- 国際CSRカンファレンス開催(2017年11月) 国際的な学術専門誌 “Global Finance Journal” と連携し、海外学識者によるCSRと経済・金融を巡る貴重な学術研究の成果の報告と議論を行った。
- 設研設立50周年記念シンポジウム開催(2014年9月) パネルディスカッション「持続的発展実現のための社会的共通資本」を主催し、社会的共通資本の考え方や実践例、まちづくりの観点から21世紀のあるべき姿を議論した。
- 社会的共通資本研究会 社会的共通資本(自然環境や社会的インフラストラクチャー、制度資本など)に関する報告と討論を行う。
- 人的資本とサステナブル・エコノミー研究会 “人的資本の適切な形成と活用こそが企業および経済社会全体の持続的発展の原動力につながる”という考えのもと、わが国経済社会をとりまく構造的な環境変化に適応した人的資本の形成と活用を進めるための課題と展望について、理解を深める。
- 社会的共通資本としての都市に関する研究
日欧の都市を自然環境や制度資本の観点から比較検討し、21世紀の望ましい都市の姿について示唆を得る。
- 研究成果(論文集)はこちら。
- 21世紀の都市を考える (Economic Affairs 8 )
- 都市のルネッサンスを求めて (Economic Affairs 7)
- 動学的一般均衡モデルの構築
- 二酸化炭素排出量安定化政策が日本経済の長期的成長パターンに与える影響を検討する。
- 温暖化対策の経済評価―わが国の中期目標における選択肢―[PDF:2.0M]
- 国連大学国際シンポジウム参加(1999年10月) 国連大学高等研究所主催国際シンポジウム「地球環境と経済理論」に参加し、地球環境と持続的発展に関して討論した。
- 国際シンポジウム主催(1995年11月)
国際シンポジウム「地球環境問題を考える―日本に何を期待するか」を主催し、国内外の著名な経済学者(宇沢弘文、K. J. アロー、D. W. ジョルゲンソンほか計9名)の参加を得て、地球温暖化と経済成長について討論した。
- シンポジウムの記録はこちら。
研究実績
地球温暖化研究センターでは、これまでの研究活動の成果として、次のような書籍やディスカッション・ペーパー等を公表しています。また、シンポジウム等の開催を通じ、研究成果を広く社会に還元しています。
書籍

- 『日本経済 社会的共通資本と持続的発展』
間宮陽介・堀内行蔵・内山勝久編,東京大学出版会,2014年 - Economic Affairsシリーズ
- 『格差社会を越えて』
宇沢弘文・橘木俊詔・内山勝久編,東京大学出版会,2012年 - 『地球温暖化と経済発展―持続可能な成長を考える』
宇沢弘文・細田裕子編,東京大学出版会,2009年 - 『21 世紀の都市を考える―社会的共通資本としての都市2』
宇沢弘文・國則守生・内山勝久編,東京大学出版会,2003年 - 『都市のルネッサンスを求めて―社会的共通資本としての都市1』
宇沢弘文・薄井充裕・前田正尚編,東京大学出版会,2003 年 - 『制度資本の経済学』
宇沢弘文・國則守生編,東京大学出版会,1995年 - 『社会的共通資本―コモンズと都市』
宇沢弘文・茂木愛一郎編,東京大学出版会,1994年 - 『地球温暖化の経済分析』
宇沢弘文・國則守生編,東京大学出版会,1993年
- 『格差社会を越えて』
- 『地球温暖化と経済成長―日本の役割を問う』宇沢弘文・國則守生編,岩波ブックレットNo. 439,1997年
- “Symposium on the Environment and Sustainable Development: Roles for Japan with Regard to Global Environmental Issues” 日本開発銀行,1996年
経済経営研究

- 「取締役会の性別構成と環境情報開示」,Vol. 42,No. 1,2021年(小澤彩子)[全文[PDF:798K]]
- 「産業公害の克服と金融の役割の再検討―1970年代開銀公害防止融資の実証分析―」,Vol. 41,No. 2,2020年(内山勝久・細田裕子)[全文[PDF:782K]]
- 「貨幣・雇用・リベラリズム 大瀧雅之氏の研究を振り返って―東大社研・DBJ設研シンポジウム抄録―」, Vol.40, No.1, 2019年(加藤晋・内山勝久)[全文[PDF:1.5M]]
- 「設備投資研究所設立50周年記念シンポジウム議事録 第3部 社会的共通資本篇」,Vol.36,No.3.[全文[PDF: 19M]]
- 「環境配慮活動の決定要因と企業価値―環境格付融資事例による分析―」,Vol. 31, No. 1,2010年(内山勝久)[要旨[PDF:7.0K]][全文[PDF:170K]]
- 「温暖化対策の経済評価―わが国の中期目標における選択肢―」,Vol. 30,No. 3,2010年 (國則 守生・野村 浩二・英 公子)[要旨[PDF:158K]][全文[PDF:2.0M]]
- 「二酸化炭素排出と環境クズネッツ曲線―ダイナミック・パネルデータ推定による検証―」,Vol. 27, No. 3,2007年(内山勝久)[要旨[PDF: 12K]][全文[PDF:742K]]
- 「地域経済と二酸化炭素排出負荷」,Vol. 24, No. 4,2004年(内山勝久)[要旨[PDF:372K]][全文[PDF:1.4M]]
ディスカッション・ペーパー
お問い合わせ先
- 日本政策投資銀行 設備投資研究所 地球温暖化研究センター
- E-mail:rcgw@dbj.jp
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