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DBJアセットマネジメント株式会社

DBJアセットマネジメント株式会社(DBJAM)は、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が100%出資する、不動産、プライベートエクイティおよびインフラストラクチャー分野を対象とするオルタナティブ投資専門の資産運用会社である。2006年の設立以来、投資家に対する良質な投資機会・運用サービスの提供を通じて、運用高度化や長期的な投資収益の拡大を実現し、オルタナティブ投資市場の健全で長期的な発展に貢献することを目指している。今回は、DBJAMが運営する海外インフラファンドと国内不動産私募リートの取り組みを紹介する。

DBJAMが運営する
海外インフラファンドと国内不動産私募リートの取り組み

DBJAM 事業概要

出典:DBJアセットマネジメント会社案内

[Solution]海外インフラファンド
インフラ投資という文化を日本に根付かせ、
新たな投資機会の提供で受託者責任を果たしていく

DBJAMが2022年に運営を開始した海外インフラファンドは、日本の機関投資家に対し、OECD諸国における安定的なキャッシュフロー創出が見込めるインフラへの運用機会を提供する。海外インフラ戦略部長兼海外インフラファンド運用部長である林健太郎は、インフラ投資市場が日本においては大きな可能性を秘めていることを指摘する。

「インフラに投資して運用するという文化が、日本では欧米ほど定着しておりません。歴史的に日本のインフラ整備では、アセットそのものではなく事業会社や政府の信用に依拠して資金調達することが多く、現在でもそうした状況が続いています。それに対して、欧米ではインフラ投資のマーケットが成熟しており、再エネに留まらず、道路や鉄道、港湾など社会に不可欠なアセットに機関投資家の資金が活用されています。資金調達の形態に優劣を付けることはできませんが、一般的に機関投資家が投資する案件では、より収益性が重要となり、結果として創出される財・サービスの高付加価値化が期待されるともいわれています。我々は海外のインフラ投資機会を日本の機関投資家へ提供することを通し、国内外のインフラ投資市場を活性化できればと考えています」

従前からDBJが蓄積してきた不動産開発やインフラ関連資産への投融資のノウハウを生かし、日本の機関投資家にサービスを提供することができる。DBJグループの一員であることも信頼感醸成につながっており、DBJAMの強みとなっている。

「欧米では道路や鉄道以外にも、昨今は、エネルギートランジションやデジタル分野への投資期待も非常に強いですから、スマートメーターやファイバーなども投資対象として出てきています。今後は、安定的かつ長期の利回りが期待できる海外インフラへの投資を日本に根付かせたいと思っています。新たな投資機会をご提供し、業界や時代の半歩先、一歩先の取り組みに挑み続けることが、フィデューシャリー・デューティ(受託者責任)を果たすことにつながっていくと考えています」


海外インフラ戦略部長兼 海外インフラファンド運用部長 林健太郎

DBJアセットマネジメント株式会社
海外インフラ企画本部
海外インフラ戦略部長兼 海外インフラファンド運用部長
林健太郎



海外インフラファンドの特徴

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出典:DBJアセットマネジメント会社案内

[Solution]国内不動産私募リート「DBJプライベートリート投資法人」
質の高い物件の取得・運用による長期安定的な収益の確保、
サステナビリティの観点からの資産価値の向上

私募リート「DBJプライベートリート投資法人(以下、「DBPR」)」の運用が開始されたのは、2016年。都心の大規模オフィスを基幹物件とし、住宅や商業施設、産業施設といったアセットタイプによる、総合型ポートフォリオを構築してきた。私募リート(REIT)とは、不動産投資信託(REIT)のうち、証券取引所に上場していない私募のものを指す。リート運用部で資金調達を担っているのが副部長の藤村天翔だ。
「私募リートにおける投資法人の資金調達手段としては、投資家から集めるエクイティと金融機関のローンであるデッドがあります。いずれにおいても、利回りや安定性など物件の魅力を訴求することで、必要とされる資金を調達するわけですが、当社は金融機関系の私募リートであることに強みがあります。物件のソーシングにおいて、DBJの豊富な取引先との協働から生まれるCRE(Corporate Real Estate=企業不動産)案件の取得に期待が寄せられています。またファイナンス面でのサポートについても、金融機関系銘柄である当社の特徴だと思います」

運用物件の適切なメンテナンス、資産(物件)価値の維持・向上は私募リートビジネスにおいて重要な要素。その業務を担っているのが藤村と同じくリート運用部で副部長を務める松尾美久だ。
「重要なポイントの一つはリーシング。つまり、高い稼働率を維持することです。そのためには快適で価値の高い物件であることを維持していく必要があります。経年劣化に伴う計画的な修繕の実施等はもちろんですが、最近はESG・サステナビリティの観点からも取り組みを推進しています。DBPRは、DBJ Green Building認証を含む環境認証取得物件への投資を基本方針とし、ポートフォリオ全体で温室効果ガス(GHG)排出削減に取り組んでいます。不動産のESGパフォーマンスを評価する国際的なベンチマークである『GRESB(Global Real Estate Sustainability Benchmark)』では、3年連続最高ランクを取得しています。さらに、パリ協定の水準に整合したGHG排出削減目標を設定し、2023年には、私募リートで2例目となる『SBTi(Science Based Targets initiative)』による認定を取得しました。これらの取り組み等により、ポートフォリオ平均稼働率は95%以上と、高稼働で安定した運用を達成しています」

DBJグループだからこそ実現できる質の高い物件の取得、長期・安定収益の確保やサステナビリティの観点からの資産価値向上の実現を通じて、長期安定的なコアファンドとして、投資家の期待を上回るさらなる成長を目指していく考えだ。

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DBJアセットマネジメント株式会社
不動産投資本部 リート運用部 副部長
藤村天翔

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DBJアセットマネジメント株式会社
不動産投資本部 リート運用部 副部長
松尾美久

この記事は季刊DBJ No.56に掲載されています

季刊DBJ No.56