あるべき人材育成に向けて、具体的にどのような教育研修を設けているのでしょうか。
まず挙げられるのが、DBJが設立されて以来、新入職員を対象に伝統的に実施している「企業分析研修」です。これは、新入職員同士でチームを組み、実在する企業をモデルに財務内容を徹底的に分析し、その結果をまとめて融資のための稟議書を作成するという、DBJの金融実務に求められる基本的な能力を身につけるものです。3か月にわたって行われる密度の濃いプログラムであり、単にファイナンスの専門的なスキルを習得するだけではなく、その企業の強みや弱みを探り、企業の価値を見極められる目を養うことを目的としています。ここからスタートを切り、キャリアに応じて経営層クラスに至るまで各ステップで自律的なキャリア形成とさらなる成長のための教育の機会を提供しています。昇格するタイミングで対象者に実施されるCDP(Career Development Program)研修はその最たるものです。対話を通して各自がそれまでのキャリアを棚卸しし、さらなる成長に向けて獲得すべきコンピテンシーを把握する中で、自身の目指す将来像や今後のキャリアイメージについてじっくりと考える場を提供しています。個人のキャリア実現に向けて人事部も最大限に支援しており、特に若手職員に対しては、DBJの業務において重要な要素である「地域」「海外」「投資」の3つの要素を戦略的なローテーションで早期に経験できるように配慮し、人材育成につなげています。
DBJが重視する「海外」を経験できる研修には、どのようなプログラムがありますか。
若手職員を対象に「グローバル人材育成協働プログラム」を実施しています。これは、当行と関係の深い英国のOxford大学Saïd Business SchoolやスイスのIMD Business Schoolとの提携により、当行向けにカスタマイズされたプログラムを複数タームに分けて数カ月間にわたり受講するものです。全編英語による講義とグループディスカッションで構成されており、うち1週間はビジネススクールの現地キャンパスに赴き、トップスクールの教授陣による講義や世界中から集まった参加者・学生たちと交流しながら学べる機会も用意しています。このプログラムは、最先端の経営学に触れながら参加する職員一人ひとりが経営的な視座で組織としてのDBJとそのビジネスについて思索を深めることを目標としており、最終タームでは当行の経営陣に対して英語でプレゼンテーションを実施します。非常にタフな内容ですが、グローバルな視座を得るとともに課題解決・価値創出の力が鍛えられ、参加した職員に大きな成長をもたらしています。基本的に若手職員は全員が本プログラムを受講できるよう、研修制度を設計しています。また、公募による海外大学院への社費留学制度も設けられており、私自身も米国のMIT Sloan School of ManagementでMBAを取得して新たなキャリア形成を図ることができました。他にも様々な人材育成制度があり、個人の意欲次第で自らをいくらでも高めていくことのできる環境が整えられています。