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宇沢弘文教授「ブループラネット賞」受賞

設備投資研究所顧問の宇沢弘文教授 が、2009年(第18回)「ブループラネット賞」を受賞しました。英国のニコラス・スターン卿(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授)との同時受賞です。

ブループラネット賞は旭硝子財団が創設し、地球環境問題の解決に向けて著しい貢献をした個人・組織に対して、その業績をたたえるために贈られる、環境分野では世界最大規模の国際賞です。

宇沢弘文教授の受賞理由は、「地球温暖化などの環境問題に対処する理論的な枠組みとして社会的共通資本の概念を早くから提唱し、先駆的でオリジナルな業績を上げた」(旭硝子財団)です。宇沢弘文教授の社会的共通資本研究においては、設備投資研究所での研究成果も大きな役割を果たしました。

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社会的共通資本とは

受賞理由ともなった宇沢弘文教授の提唱する社会的共通資本(Social Common Capital)とは、1つの国ないし特定の地域に住むすべての人々がゆたかな経済生活を営み、優れた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的・安定的に維持することを可能とするような社会的装置、あるいは、市場経済制度が円滑に機能し、実質的所得分配が安定的となるような制度的諸条件のことです。社会的共通資本には次の3つの範疇が含まれます。

  • 自然環境:大気、水、森林、河川、湖沼、海洋など
  • 社会的インフラストラクチャー:堤防、道路、港湾、文化施設など
  • 制度資本:医療、教育、金融、司法、行政など

社会的共通資本は公有、私有にかかわらず、社会全体にとって共通の財産として、社会的な基準にしたがって管理・運営されるべきものとされています。

設備投資研究所では宇沢弘文教授指導のもと、社会的共通資本に関する研究を行ってきました。その成果は宇沢先生のご尽力と学界・有識者の方々のご協力、東京大学出版会様のご厚意によりEconomic Affairsシリーズとして、現在までに10巻刊行しています。

設備投資研究所主催受賞祝賀会(2009年11月27日開催)

設備投資研究所では、宇沢弘文教授のブループラネット賞受賞を祝して、2009年11月27日(金)に、都内のホテルで祝賀会を開催しました。

祝賀会には、宇沢先生および設備投資研究所にゆかりのある著名な研究者や有識者の方々を中心に、全国各地から約100名の参加がありました。伊東光晴先生(京都大学名誉教授)、橘木俊詔先生(同志社大学)、須田美矢子先生(日本銀行)、柳沼寿先生(法政大学)などからご祝辞をいただき、盛会のうちに終了することができました。

祝賀会の様子

  • 宇沢先生のご挨拶

  • 伊東光晴先生からのご祝辞

  • 橘木俊詔先生からのご祝辞

  • 須田美矢子先生からのご祝辞

  • 柳沼寿先生からのご祝辞

  • 宮川公男先生とご歓談

  • 貝塚啓明先生と神野直彦先生

  • 受賞を祝して[左より大瀧先生、山崎先生、佐々木先生]

  • 設研にゆかりのある多くの先生方にご出席いただきました