アルプス電気(株)に対し、新「DBJ防災格付」(最高ランク)に基づく融資を実施~3.11東日本大震災も踏まえ事業継続力を重視~

 株式会社日本政策投資銀行(社長:橋本徹、以下「DBJ」という。)は、アルプス電気株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:片岡政隆、以下「アルプス電気」という。)に対し、新「DBJ防災格付」初適用となる融資を実施いたします。

 「DBJ防災格付」融資(注1)は、平成18年4月に運用を開始しましたが、これまでの実績・経験に加え、欧米等のBCM規格等を参考にし、また、東日本大震災を踏まえた個別企業への緊急ヒアリングも行い、今般評価システムの内容を大幅に見直しました。
 具体的には、従来は、主に発災前段階における予防策に重きを置いていましたが、新「DBJ防災格付」は、発災後の企業の迅速な復旧活動を含む事業継続の取り組みに重きを置いた設問体系へと大幅にリニューアルしており、予防だけに留まらず、危機事案発生後の戦略・体制等を含めた企業の事業継続活動を総合的に評価する内容となっています。

 今般、アルプス電気に対し、同制度大幅見直し後の初案件として、新「DBJ防災格付」で最高ランクとなる「防災への取組が特に優れている」の格付を付与することを決定いたしました(注2)。

 アルプス電気は、小型スイッチやセンサー、車載用ユニットやモジュール等、日常で使用される様々なエレクトロニクス機器向け部品メーカーとして世界トップクラスのシェアを有しています。同社は、東北地域に7つの工場拠点を有し、今般の東日本大震災においても震災の影響を受けておりますが、平時からの防災及び事業継続対策への取組等が奏功し、被害を最小限にとどめ、通常の生産ラインへの復旧も極めて短期間に成し遂げ、世界中に負っている供給責任を果たしております。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~私たちは創造的金融活動による課題解決で、お客さまの信頼を築き、豊かな未来を、ともに実現していきます~」に基づき、有事における事業継続の推進に向けたお客さまの取り組みを積極的に支援してまいります。

(注1)DBJ防災格付融資は、DBJが開発した独自の評価システムにより防災への取り組みの優れた企業を評価・選定し、その評価に応じて融資条件を設定するという、「防災格付」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。

(参考)防災格付・新旧対照表
防災格付
新・防災格付
 評価の
 着眼点
 防災(生命安全、資産保全) (防災対策を前提とした)
 重要業務の継続と早期復旧
 評価領域 本社、工場等の事業所 上流~下流までの業務プロセス全体
 評価
 ポイント
 防災対策
 (内閣府中央防災会議の自己チェック
 表を基礎とした体系)
 ・事業継続計画の策定手順と内容
 (広さ、深さ)
 ・事業継続管理体制の整備状況
 ・欧米のBCM規格、ガイドラインも加味
 ランクの
 刻み
 3段階 5段階

(注2)今回の評価においては、(1)本社を含む国内外主要事業所の耐震免震対策や製品生産拠点の内外地理的分散が図られている点、(2)社会で顕在化した危機事象に対し、当社被災の有無に関わらず既存体制について不断の見直しを実施している点、(3)全社ベースでのリアルタイムな情報共有の仕組みを平時から活用し、有事にも指揮命令系統の一元化が図られ、迅速な意思決定と緊急対応が実行できる環境が整備されている点等を高く評価いたしました。

【お問い合わせ先】
企業金融第2部  電話番号03-3244-1660

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