第3回社会的価値・資本創出型M&Aアワード-社会的に優れたM&Aディール(ソーシャルM&A)を表彰-

 株式会社日本政策投資銀行(代表取締役社長:柳正憲、以下「DBJ」という。)は、M&Aにおいて社会的価値・資本を創出した優れたディールを表彰するアワードの第3回表彰式を実施し、フタムラ化学株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:長江泰雄、以下「フタムラ化学」という。)に対し「大賞」を、ANAホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:片野坂真哉、以下「ANAホールディングス」という。)および古河電池株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:徳山勝敏、以下「古河電池」という。)に対し「特別賞」をそれぞれ授与しました。

 本アワードは、「環境格付」融資などにより培った手法を活用して、DBJが独自に開発した評価システムにより、社会的価値・資本の創出に優れたM&Aディールを選定し表彰するものです。この表彰により、経済的価値の追求に重きが置かれることの多いM&Aが、資本とビジネスの構成を変革することで社会的な価値を創出する有力な事業手法となり得ることを証明し、さらに社会的により優れたM&A(ソーシャルM&A)の普及促進を目指しています。

 食品包装用プラスチックフィルムの国内トップメーカーであるフタムラ化学については、英国の同業大手であるInnovia Groupよりセルロースフィルム事業を譲り受けたもので、Innovia Groupの100%生分解可能なセルロース製品を自社製品群に納め、さらにこのM&Aを契機としてグローバルに生産拠点を再編することにより、自社の持つ環境負荷の低い新技術によるセルロース製造ラインの日本国内での立ち上げが可能となりました。これらにより豊かな循環型社会の実現に大きく貢献しうることから、社会的な影響力の大きさ、波及効果の広さを評価し、「大賞」に認定しました。

 ANAホールディングスについては、ベトナム航空への資本参加を契機に業務提携を進め、自社が培ってきた安全運航、事業運営に関するノウハウの提供やサービス品質向上に資する技術支援にも取り組んでいくことにより、日本・ベトナム間の航空事業において安全面・環境面で一層優れた、高度な輸送サービスの提供を実現することが期待されます。また、ベトナム航空と日本国内の地方都市への共同運航を実施することで、インバウンド観光の振興と地方経済の活性化にも寄与しています。
こうした点を高く評価し、「特別賞」に認定しました。

 自動車用など各種バッテリーのメーカーである古河電池については、ベトナムのPINACO社という、主に二輪車用のバッテリーを製造・販売する企業に資本参加しました。古河電池がPINACO社を通じて普及を目指す製品は、充電スピードが速く、寿命も長いアイドリングストップに対応した最新型のバッテリーで、これによりベトナムの道路交通において、CO2削減や円滑な運行の確保といった環境面、安全面での向上をもたらすことが期待されるほか、バッテリーの製造工程で使用する鉛を完全回収することにより、環境面の重要な課題が解決されることになりました。
こうした点を高く評価し、「特別賞」に認定しました。

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