No.280 マイナス金利長期化が及ぼす日欧経済への影響について

 日本銀行がマイナス金利政策を導入してから2年近くが経過する中、本稿では、マイナス金利を先行して導入した欧州の動向を確認しつつ、日欧のマイナス金利長期化が経済に及ぼす影響について比較分析を行っています。マイナス金利導入後の日欧経済は、低金利による固定資本投資の押し上げや世界経済の回復もあり、概ね成長ペースが拡大していることが確認されました。一方で、日本銀行が過度な低金利是正に向け、金利ターゲットの引き上げに動く可能性も指摘されています。この背景には、貸出の利鞘縮小を通じた銀行収益の下押しなど、過度な金融緩和の副作用への懸念があると考えられます。

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