No.55 (2024年7月)

サプライチェーンの強靱化・革新で勝つ

政府の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」(令和5年11月2日閣議決定)においては、成長型経済への変革の柱として半導体産業の振興やスタートアップ支援等と並んで「経済安全保障の確保に資するサプライチェーンの強靱化」が掲げられた。これを踏まえて株式会社日本政策投資銀行(DBJ)では、重要物資の安定供給確保等のサプライチェーン強靱化や物流をはじめとするインフラの強靱化・高度化などを目的とする「サプライチェーン強靱化・インフラ高度化ファンド」(2024年2月)を設置した。
今回は基本解説としてまず特定重要物資の一つである蓄電池にフォーカスし、経済産業省電池産業室長の眞柳秀人氏に日本の蓄電池産業の課題と今後の展望、勝ち筋について語っていただいた。次に「サプライチェーン強靱化・インフラ高度化ファンド」の第一号となったartience株式会社にフォーカスし、車載用リチウムイオン電池の性能を左右する導電材料・カーボンナノチューブ分散体事業の市場優位性や今後の将来展望等を経営陣に伺った。コロナ禍を脱し、デフレ完全脱却の道筋は見えつつある。