航空宇宙分野の取り組み戦略を公表

 株式会社日本政策投資銀行(代表取締役社長:柳正憲、以下「DBJ」という。)は、日本の航空宇宙産業の更なる成長に貢献するため、平成29年4月1日付で「航空宇宙室(Aerospace Office)」を発足しました。

 航空宇宙産業はものづくりの頂点として裾野も広く、次世代のリーディング産業として注目されています。DBJは旧日本開発銀行時代より国と緊密に連携しながら同産業の成長とともに関連する投融資を30年以上にわたり拡大し、産業全体を俯瞰しながら少なからず貢献してきました。特に民営化*1後は、特定投資業務*2などを活用しつつ多種多様な投資機能を駆使することで、国内外のビジネスを更に深化させています。

 航空産業の成長を更に拡大し、日本のリーディング産業とするため以下の施策が必要と考えています。
● 新素材や電動化関連、製造工程多様化など次世代を見据えた研究開発
● 量産効率化や裾野の質的・量的拡大に寄与する、中堅・中小企業や地方を中心に展開される
  サプライチェーンの更なる強化
● 回転翼やドローンなど関連する分野の拡大
● 機体やエンジンの整備事業や完成機事業

 一方、宇宙産業はこれまでの官需主導による開発型から、IoTの進展を背景とした量産型への転換として、以下のような新たな動きがみられます。
● 宇宙利用産業において、衛星データの利活用促進にむけた環境整備
● 小型衛星の爆発的増加や打上げインフラ拡充を支える、宇宙機器産業の国際競争力強化
● 自社技術の応用でスピンオフを目指すものや民生部品の宇宙産業ビジネスへの応用、
  大学発ベンチャーなど多種多様な新規参入者の増加
 これらを加速し成功させるため、国家的な支援策に加えてリスクマネー供給の強化などが急務となっています。

 今般、「航空宇宙室」の発足を起点に、DBJグループの総力を結集し、航空宇宙分野を支える体制を整えました。DBJの第4次中期経営計画期間において、産業全体を鳥瞰し、ここで述べた取り組みに重点を置きながら、特定投資業務の更なる活用などで同産業への投融資規模を増加させていきます。

 加えて、宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」という。)の航空・宇宙部門との連携を強化し、最先端の技術を客観的に捉えながら、資金提供の方法や規模、タイミングなどについて今まで以上に柔軟性をもって対応していきます。JAXAの協力を得て以下のレポートを発表するとともに、国を含む関係者との議論を今まで以上に深めつつ、戦略的に取り組んでいきます。

平成29年5月発表
「日本における宇宙産業の競争力強化」    日本政策投資銀行 航空宇宙室・産業調査部
   (協力 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)
    関連リンク:http://www.dbj.jp/topics/region/industry/files/0000027266_file2.pdf
 また、航空分野についても既に以下のレポートを公表し、戦略的な取り組みを開始しています。

平成28年7月発表
「本邦航空機産業の過去・現在・未来~航空機産業の最前線と当行の取り組み~」    日本政策投資銀行 企業金融第1部(現航空宇宙室)・産業調査部
   日本経済研究所
    関連リンク:http://www.dbj.jp/pdf/investigate/etc/pdf/book1607_01.pdf

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~私たちは創造的金融活動による課題解決でお客様の信頼を築き、豊かな未来を、ともに実現していきます~」に基づき、航空宇宙産業の新たな価値の創出・国際競争力強化に貢献してまいります。


【お問い合わせ先】
   航空宇宙室 電話番号 03-3244-1660


(ご参考)
*1 民営化
関連リンク:http://www.dbj.jp/co/info/privatization.html
*2 特定投資業務
関連リンク:http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2015/html/0000019926.html
      http://www.dbj.jp/service/invest/special/index.html
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