Next Riseソーシャル・インパクト・ファンド投資事業有限責任組合への出資について
~「特定投資業務」を活用し、社会課題解決に向けた新たな官民連携をサポート~

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、株式会社ドリームインキュベータ(代表取締役社長:三宅孝之、以下「DI」という。)が設立したソーシャル・インパクト・ボンド(注1)(以下「SIB」という。)を投資対象としたファンドに対する出資契約を締結しました。当ファンドは、国内初のSIBに特化したファンドになります。

 これまでDBJは、PFS/SIBが社会課題解決に資する官民連携の重要な手法であると考え、国内外の市場調査、各種情報発信等を通じ、国、自治体、中間支援組織、サービス事業者たる民間企業、金融機関等、PFS/SIB市場の関係者様とのネットワークを構築してまいりました。また、2019年11月には、英Bridges Fund Management Limited(注2)(以下「Bridges」という。)が組成するSIBを投資対象としたファンドへの出資およびBridgesとの戦略的パートナーシップ関係構築である業務協力合意書の締結等を通じ、日本版SIB形成に向けた先進的なノウハウを獲得してきたところです。

 DIは、大企業向け戦略コンサルティングおよびベンチャーファンド投資に加え、様々な社会課題を戦略・技術・政策の力を有機的に統合して解決するビジネスプロデュース活動を推進しております。これまでに関連省庁、自治体や多数の民間企業等と連携し、先進的なプロジェクトを遂行した経験を有しており、今回のSIBファンド組成における中心的な役割を担っています。

本件は、我が国で初めてとなるSIBに特化したファンドの組成により、地方自治体による住民サービス等の質の向上と財政負担低減の両立の実現を企図するDIの取り組みに対してリスクマネーを供給するものであること、また、本件出資を通じ、我が国におけるSIB市場の拡大が期待出来ること等を踏まえ、「特定投資業務」(注3)により支援することといたしました。

 今後、DBJは多様なネットワーク・知見を活用し、個別PFS/SIBプロジェクトの組成・資金提供を着実に目指すことで、日本版PFS/SIBの普及促進、同市場の拡大・活性化に貢献するとともに、地域が抱える社会課題の解決をサポートしてまいります。

 また、DBJでは第5次中期経営計画(2021年5月20日付「第5次中期経営計画について」参照)において、投融資を通じて持続可能な社会に貢献すべく「GRIT戦略」(注4)を推進することとしています。PFS/SIBへの取り組みはGRIT戦略にも繋がるものであり、積極的に推進してまいります。

(注1)ソーシャル・インパクト・ボンド:事業者による予防的プログラムの実施につき、投資家が事業者に対し事業資金を提供し、事業の成果に応じて自治体が資金提供者に対し成果報酬を支払うという仕組み。公共事業における契約形態で、業務委託時ではなく事業の成果達成時に行政からの支払いが発生し、事業の成果達成度合いに連動して委託料が変動する業務委託契約である「成果連動型委託契約」と民間資金の活用を組み合わせた官民連携手法の一つとして位置付けられている。

(注2)Bridges Fund Management Limited:2002年設立。経済的リターンと社会的インパクト創出の両立を目指す「社会的インパクト投資」に特化した英国最大のファンド運用会社。ソーシャル・インパクト・ボンド等、持続可能な成長と社会インパクトを生み出すプロジェクトを対象に、投資、ファンド運営、コンサルティング業務を実施。

(注3)特定投資業務:民間による成長資金の供給の促進ならびに地域経済の活性化および我が国企業の競争力の強化を図るため、国からの一部出資(産投出資)を活用して、成長資金を時限的・集中的に供給する業務。

(注4)「GRIT戦略」とは、G:グリーン社会の実現、R:しなやかで強い安心安全な地域・社会や産業基盤の構築、I:事業化可能と評価できるイノベーションへの取り組み、T:現在の事業基盤を前提とした移行に向けた戦略的取り組み、を表すもので、第5次中期経営計画においてDBJグループが重点的に取り組む分野を表したもの。


【お問い合わせ先】
    ストラクチャードファイナンス部  電話番号 03-3244-1590
    業務企画部 イノベーション推進室 電話番号 03-6311-5048

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