統合報告書
ステークホルダーの皆様にご理解いただくためのコミュニケーションとして、
統合報告書を作成しています。

統合報告書2023年度版
統合版 全編( 11MB)社長メッセージ

マテリアリティ(経営上の重要課題)
株式会社日本政策投資銀行法における目的規定である「長期の事業資金を必要とする者に対する資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与すること」及びDBJグループのサステナビリティ経営に通底する「経済価値と社会価値の両立」という理念を踏まえ、「ビジョン2030」で描く将来像を実現させるための経営上の重要課題をマテリアリティとして特定しています。

価値創造プロセス
お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現すべく、サステナビリティ経営を進めています。
また、サステナビリティ経営の高度化を図りながら、ステークホルダーとの協働・対話を通じて、以下の価値創造プロセスの継続的な改善に努め、創出価値の更なる拡大に向けた取り組みを推進しています。

価値創造を支える非財務資本
DBJグループは、日本開発銀行設立以来70年以上もの間、社会課題の解決を通じて日本と世界の持続的発展に貢献してきました。こうした価値創造は、「人的資本」「知的資本」「関係資本」等の非財務資本により支えられるとともに、非財務資本間の継続的な相互作用により拡大し、変化する事業環境や社会課題への対応の高度化を牽引しています。

第5次中期経営計画 強化・見直し
2008年の株式会社化以降の4回にわたる中期経営計画の遂行を通じて、DBJグループは「投融資一体」に向けたリスクマネー供給の強化とリスク管理機能の高度化を進めてきました。2021年5月には、民間金融機関等との連携・協働のもと、リスクマネーやナレッジを活用してお客様の課題解決を通じた持続的成長へ貢献すべく、5カ年の行動計画として「第5次中期経営計画」を策定しました。
足下では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響からの回復や外部環境の大きな変化を受け、中計期間残り3年間で特に強化するポイントを示すため、2023年5月に「第5次中期経営計画 強化・見直し」を公表しています。


財務目標
2025年度目標(連結)
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収益性 | 健全性 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
業務粗利益 ※1 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 経費率 ※2 | 総資産 | ROA ※2 | ROE ※2 | 自己資本比率 ※3 |
2,100億円程度 | 850億円程度 | 34%程度 | 21兆円程度 | 1%程度 | 3%程度 | 14%程度 |
※1 経営管理上の実態業務粗利益(クレジットコストを除く)
※2 経費率、ROAは業務粗利益比。ROEは当期純利益比
※3 普通株式等Tier1比率(バーゼルⅢ最終化完全適用ベースの試算値)
第5次中期経営計画 進捗

ステークホルダー・コミュニケーション
様々なリスクに対し適切に対応する能力を磨き、他の金融機関やお客様、投資家の皆様との連携・協働を重視し適切なパートナーシップを組むことにより特色あるソリューションを提供し、金融市場の活性化や安定化、ひいては日本と世界の持続的発展に貢献します。

リスクマネー供給について
DBJグループの投融資残高のうち、有事における危機対応融資、案件のリスク特性に応じたプロジェクトファイナンス等の融資業務に加え、投資・メザニンローン等のリスクマネー供給業務を行うなど、特定投資業務を活用しつつ多様な資金ニーズに対応しています。
また、地域金融機関など投資家のお客様の資金運用ニーズに応えるため、DBJアセットマネジメント(株)(DBJAM)にて資金をお預かりし、グループの強みを活かした特色ある資産を中心に資産運用業務を行っています。DBJAMの預かり資産を含め、DBJグループ全体で今後もお客様の多様なニーズに応えるべく、リスクマネー供給業務を強化してまいります。

*1 危機対応案件、ストラクチャードファイナンス案件、アセットファイナンス案件を含む
*2 メザニンローンのうち危機対応案件、ストラクチャードファイナンス案件、アセットファイナンス案件との重複分を控除
*3 DBJAMの預かり資産残高(AUM:Asset Under Management)からDBJからの預かり資産相当分を控除
(2023年3月末時点)
サステナビリティ戦略
日本開発銀行の時代からサステナビリティにかかる課題に取り組んでおり、投融資一体やコンサルティング・アドバイザリーなどの特色を活かしたビジネスモデルに基づき、持続可能な社会の実現に向けた様々な取り組みを進めています。
サステナビリティに関する捉え方
DBJグループは、2017年5月に経済価値と社会価値の両立を目指した持続可能な社会の実現に貢献していくための基本姿勢として、「サステナビリティ基本方針」を定めました。本方針に基づき、「気候変動」「自然資本・生物多様性」「サーキュラーエコノミー(循環経済)」「人権尊重」を持続可能な社会の実現にとって重要な課題と認識しています。
全ての事業活動の前提として「人権尊重」を捉えたうえで、社会経済活動の基盤としてグローバルな課題となっている「気候変動」「自然資本・生物多様性」とあわせて、経済活動が自然資本へ巡回する「サーキュラーエコノミー(循環経済)」への対応が特に重要と認識しており、サステナビリティに関する取組を積極的に進めながら、ステークホルダーの皆様との協働のもと地域・お客様の課題解決を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

気候変動への対応(TCFD提言を踏まえた取組)
2018年6月、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言の趣旨への賛同を表明し、2022年には「2050年までの温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロ」の実現を目指すことを宣言しました。気候変動に関するリスクと機会を認識したうえで、分析に基づく戦略を策定し、適切な情報開示の取組を検討・推進しています。
カーボンニュートラルに関する基本的な考え方
2015年のパリ協定採択以降、各国政府や業界団体・企業が脱炭素社会に向けた意思表明を行っており、気候変動の緩和と適応に向けた動きが加速しています。日本政府も、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、その実現に向けて各種の政策が進められています。
DBJグループは、経済価値と社会価値の両立を目指した「サステナビリティ基本方針」に基づき、世界共通の課題である気候変動対応を、持続可能な社会の実現にとって重要なものとして、最重要課題のひとつに位置づけています。DBJグループは、エネルギー安定供給との両立を踏まえつつ、ステークホルダーの皆様と協働しながら地域・お客様の課題解決を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
2021年度からスタートした第5次中期経営計画において「GRIT戦略」を推進し、グリーン社会の実現、しなやかで強い安心安全な地域・社会や産業基盤構築を目指すとともに、脱炭素社会に向けた公正な移行(トランジション)について、お客様との対話(エンゲージメント)を通じ、取組支援を行っています。
お客様起点に立ち、その脱炭素に向けた取組を支援し、経営課題を解決することを通じて、DBJグループとして2050年までの投融資ポートフォリオの温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロの実現を目指していきます。その実現と、トランジション対応の両立が重要と考え、お客様の脱炭素への移行支援やエンゲージメント強化の観点でも重要な方針となる、「トランジション方針」と「2030年中間削減目標」を策定しました。
DBJグループは、お客様との建設的な対話(エンゲージメント)を推進しつつ、日本企業の競争力を維持・強化し、お客様の成長に貢献していきます。
トランジション方針
多排出産業のお客様による中長期的な移行計画に基づくGHG排出量削減につながる取組への資金支援を行い、脱炭素化に向けて地域を含めたトランジションを進めることで、2050年までのGHG排出量ネットゼロの達成を目指します。
燃料価格高騰や地政学リスク等の不透明性が高まるなか、社会の持続可能性と脱炭素に向けた投資の両立に向けて多排出産業への資金支援を行うことで、DBJへ割り当てられるGHG排出量は一時的に増加するものの、これらは脱炭素に向けた社会のトランジションには必要不可欠であることから、中間削減目標を念頭に置きつつも、お客様の移行に資する投資を積極的に支援する方針です。産業や地域横断的な脱炭素化への対応に向けては、金融による課題解決のみならず、産業界や地域のステークホルダーに対する提言の実施やナレッジ面でのサポートを強化していきます。また、クライメートテックや、核融合等の新技術をはじめとするイノベーションに向けたスタートアップ等への資金供給面においても、積極的にお客様を支援していきます。
エンゲージメント活動
お客様の脱炭素に向けた取組を支援するため、DBJグループはサステナブルファイナンスやアドバイザリーサービスをご提供するほか、DBJキャピタルを含めてグループ全体でクライメートテックや新技術へのリスクマネー供給などに取り組んでいます。
お客様との建設的な対話(エンゲージメント)を通じた理解や問題意識の共有を強化するとともに、お客様ごとの課題やニーズを深く理解し解決策を提示することで、DBJグループの強みを活かした投融資やアドバイザリーをご活用いただけるよう取組を進めます。
サステナビリティ基本方針
使命である日本と世界の持続的発展の実現に向けて、サステナビリティ経営のもと、特色ある事業活動を通じた経済価値と社会価値の両立を目指しています。2017年には、ステークホルダーの皆様との対話を促進し、価値創造プロセスの継続的な改善に努めるため、当方針を定めています。
DBJグループ人権方針
「ビジネスと人権に関する指導原則」を尊重し、「国際人権章典」ならびに「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」において示された人権を最低限のものと理解し、尊重する旨を定めています。
環境・社会に配慮した投融資方針
環境・社会に対して重大なリスクまたは負の影響を内包する可能性が高い事業・セクターへのファイナンスについて、2021年に当方針を定め、以降必要に応じた見直しを実施しています。
サステナビリティ委員会
経済価値と社会価値の両立、及びステークホルダーとの対話に関する事項や、気候変動をはじめとする様々なサステナビリティに関する課題への対応方針や取り組み状況について、経営会議傘下の「サステナビリティ委員会」にて審議・報告しています。
お客様との対話
DBJグループが培ってきた非財務面に関する”対話力”を活かし、社会課題の解決を目指すお客様の持続的な成長を支援しています。
トランジション業務推進室
お客様との対話を通じ、カーボンニュートラルの実現に向けて公正かつ責任ある「移行」(トランジション)を着実に支援することが重要と考え、その実現に向けた投融資等の推進を企図した組織として、業務企画部に「トランジション業務推進室」を設置しています。
新たなエネルギーキャリアとしてトランジション上重要となる、水素・アンモニアや蓄電池の活用推進に向けては、単に個々の企業の取り組みを促すにとどまらず、異なる地域特性や多様な産業・関係者を踏まえ、各主体の連携促進が重要となります。トランジション業務推進室では、これらの分野に関する脱炭素への移行にかかる知見を集約するとともに、地域・業種横断的な対応を全社として推進することを目指しています。
加えて、左記のサステナビリティ経営コンサルティングサービス等の展開を強化し、お客様のサステナビリティ経営診断やオーダーメイドのコンサルティングサービスの展開を通じて、お客様との対話を深め、投融資機能とあわせてお客様の事業変革の支援を目指しています。
サステナブルファイナンスの取り組み実績
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実績 (2023年3月末時点) |
融資金額 | 融資件数 | |
---|---|---|---|
累計 | 累計 | 2022年度 | |
環境格付 | 1兆8,022億円 | 786件 | 38件 |
BCM格付 | 5,763億円 | 440件 | 19件 |
健康経営格付 | 3,795億円 | 282件 | 30件 |
合計 | 2兆7,580億円 | 1,508件 | 87件 |
事業戦略
基盤戦略
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イントロダクション
価値創造ストーリー
戦略
- サステナビリティ戦略(1.1MB)
- サステナビリティに関する捉え方
- カーボンニュートラルに関する基本的な考え方
- 気候変動への対応(TCFD提言を踏まえた取組)
- 事業戦略
- 基盤戦略
ガバナンス
- コーポレート・ガバナンス(1.7MB)
- コーポレート・ガバナンス体制
- コンプライアンス
- リスク管理(320KB)
- リスク管理態勢
- 事業継続への取組
データ
アーカイブ
統合報告書 2022年度版
※統合版には、財務データが含まれます。
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※統合版には、財務データが含まれます。
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※統合版には、財務データが含まれます。
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統合報告書 2018年度版
※統合版には、財務データが含まれます。
統合報告書(CSR・ディスクロージャー誌) 2017年度版
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CSR・ディスクロージャー誌 2016年度版
CSR・ディスクロージャー誌 2015年度版
CSR・ディスクロージャー誌 2014年度版
CSR・ディスクロージャー誌 2013年度版
CSR・ディスクロージャー誌 2012年度版
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CSR・ディスクロージャー誌 2010年度版
CSR・ディスクロージャー誌 2009年度版
CSR・ディスクロージャー誌 2008年度版
CSR・ディスクロージャー誌 2007年度版
ディスクロージャー誌 2006年度版
ディスクロージャー誌 2005年度版
ディスクロージャー誌 2004年度版
ディスクロージャー誌 2003年度版
ディスクロージャー誌 2002年度版
ディスクロージャー誌 2001年度版
ディスクロージャー誌 2000年度版
お問い合わせ先
日本政策投資銀行 経営企画部広報室
TEL:03-3244-1180