株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、「2024年度 設備投資計画調査」の結果を取りまとめました。
今回の調査では、大企業の2024年度国内設備投資は、製造業、非製造業ともに高い伸びとなり、3年連続で増加(21.6%増)する計画となりました。人手不足・物価高などの課題はあるものの、昨年度から先送りされた投資に加え、デジタル化の加速を受けて、半導体関連の能力増強投資が拡大し、EV等電動化投資も増加します。地域別には、北海道や北関東甲信、首都圏などが大幅増となる計画です。
また、今回調査に基づく企業行動の特徴としては以下が挙げられます。
- 多くの企業が物価上昇や人手不足をリスクと認識し、価格転嫁や賃上げを実施するものの、未だ不十分。物流2024年問題はデジタル活用や自動化投資を中心に対応。株価上昇に向けて投資家対話や開示の充実に関心が集まり、中期経営計画を重視する姿勢がみられる。
- 人材の獲得のため、企業は賃上げにより積極的な姿勢に。人材獲得の代替策として、デジタル活用や自動化投資に前向きな姿勢が継続。
- デジタル化投資は、コロナ以降高い水準で推移。生成AIの普及もあり、AIの活用や関心が大きく高まる。
- 企業は、新たな技術革新として自動運転や汎用AIに注目。製造業では、知的資本データを経営に生かす企業が一定数存在。
- 脱炭素を進める上での課題は、技術的な問題のほか、開発コストの負担と価格転嫁。今年度の脱炭素投資割合はほぼ変わらず。
- 半導体等の供給制約緩和などもあり、調達先の分散化や在庫確保が一服する一方で、需要地での事業拡大が進展。また、コロナ前に比べて、国内の生産拠点を強化する方針が依然高水準。
- インフラ関連がけん引する北海道や輸送用機械などが増加する北関東甲信、製造業・非製造業が満遍なく伸びる首都圏などが大幅増。中堅企業では、大企業と比較して物価上昇や人手・後継者不足をダウンサイドリスクとしてより認識する企業がみられており、価格転嫁や賃上げの動きが続いている。今後は、カーボンニュートラルに伴うコスト増の転嫁が課題。
本調査の詳細は、DBJウェブサイト「設備投資計画調査」をご参照ください。
なお、本調査は個別企業名を出さないという前提のもと、回答にご協力をいただいております関係上、個別企業名にかかるお問い合わせには応じかねますので、あらかじめご了承ください。
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