防災の産業化と国際ルール形成への挑戦

2026年1月
ネクスト・ジャパン最前線産業[ 基本解説 ]
株式会社日本政策投資銀行
産業調査部課長 兼イノベーション投資部参事役
兼 設備投資研究所主任研究員
蛭間 芳樹

世界各地で、気候変動や急速な都市化を背景に自然災害が激甚化・頻発化しており、人的被害および経済的損失は増加の一途を辿っている。これに伴い、近年の気候変動対策は、脱炭素などの「緩和」から影響や被害を最小化し、社会や経済の“しなやかさ(レジリエンス)”を確保する「適応」へと重点が移されつつある。また、サイバー攻撃などの人為災害も、企業の事業継続や国家の安全保障に直結する喫緊の課題となった。災害大国の日本には、官民双方にリスク低減に関する高度な知見と技術──防災がある。災害が常態化する現代において、日本が有する災害や危機を“しなやかに”乗り越える社会技術を、国際社会と共有することは日本の国際的な責務であると同時に、日本の根源的な価値を発揮する機会でもある。株式会社日本政策投資銀行(DBJ)は、投融資一体のソリューション、良質なナレッジの創出、国際ルール形成等を通じ、次代の日本社会、ひいては世界のレジリエンスの向上に取り組んでいる。