みやぎ地域価値協創投資事業有限責任組合による(株)鮮冷への融資実施について~資本的劣後ローンを活用して地元水産加工事業者の財務基盤の強化を支援~

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)および株式会社七十七銀行(以下「七十七銀行」という。)が共同出資する「みやぎ地域価値協創投資事業有限責任組合」(以下「当ファンド」という。)は、株式会社鮮冷(本社:宮城県牡鹿郡女川町、代表取締役社長:石森洋悦、以下「当社」という。)に対して融資を実施しました。

 当ファンドは、平成30年9月にDBJと七十七銀行にて、地域の持続的な経済発展に向けた成長資金等を供給することを目的として設立されました。

 当社は、国内有数の漁場である三陸沖に位置する女川において、数十年の業歴を誇る株式会社石森商店と株式会社岡清が中心となり、それぞれの強みを活かしてより高付加価値の水産加工商品提供を実現することを目的に東日本大震災後に設立されました。当社はCAS(注1)凍結加工を駆使した商品「CAS FRESH」シリーズを国内外で提供しており、また、その高い食品安全管理レベルが認められ、国際的な食品安全の認証規格「FSSC22000」を取得しています。加えて、持続可能な産業とすることを目的に、地元漁業者等と連携した六次産業化の取り組みについても着手しています。

 本件は、全国的な不漁が続く中でも、当社が三陸沖等の海の幸を今後も持続的に食卓に届けるための加工品増産設備の導入等を行うに際し、当ファンドが資本的劣後ローンを活用した資金供給を行うとともに、当社の財務基盤強化を支援するものです。なお、当社に対する資本的劣後ローンのための当ファンドに対するDBJ の出資については、地域経済の活性化や企業の競争力強化に資する成長資金を集中的に供給するものとして、「特定投資業務」(注2)を活用します。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、今後とも地域経済の活性化、競争力強化に向けた地域のお客様の取り組みを積極的にサポートしてまいります。

(注1)「CAS」とは、「Cells Alive System」の略称であり、CAS凍結加工によって細胞組織を破壊しない冷凍加工ができます。この方法によって食材が持つ素材本来の旨味、香り、みずみずしさなどを長期間保つことが可能となります。

(注2)「特定投資業務」とは、民間による成長資金の供給の促進を図るため、国からの一部出資(産投出資)を活用し、企業の競争力強化や地域活性化の観点から、成長資金の供給を時限的・集中的に実施することを企図して設けられたものです。

【お問い合わせ先】
    東北支店 業務第一課ファンド業務グループ 電話番号 022-227-8183


【当ファンドの概要】
 (1)名称 みやぎ地域価値協創投資事業有限責任組合
 (2)規模 30億円
 (3)設立 平成30年9月28日
 (4)出資者 無限責任組合員(GP): DBJ地域投資(株)
有限責任組合員(LP): DBJ、七十七銀行
 (5)期間 投資期間5年間、存続期間12年間

【当ファンドのスキーム図】

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