全国設備投資計画調査(大企業) (2016年6月)

DBJが毎年1回実施している、民間法人企業を対象とした設備投資計画調査です。1956年以来50年以上にわたり毎年継続している大企業(資本金10億円以上)の設備投資動向調査となります。

概要

新製品などの事業基盤強化を柱に5年連続の増加
- 都市機能強化に向けた投資も続く -

  1. 1.
    大企業(資本金10億円以上)の2016年度国内設備投資額は、製造業(14.5%増)、非製造業(8.8%増)ともに増加し、全産業で10.9%増と5年連続の増加となる。
  2. 2.
    今回調査に基づく2016年度の国内設備投資の特徴
    1. 製造業は、輸送用機械のモデルチェンジに向けた投資のほか、化学の新素材向け投資や鉄鋼の設備更新・集約投資など、事業基盤強化のための投資が増加する
    2. 非製造業は、運輸、不動産などで安全防災対策や東京オリンピック・パラリンピックを見据えた都市機能強化のほか、鉄道などのインフラ関連投資が続く
  3. 3.
    製造業(14.5%増、寄与度5.4%)は、輸送用機械で環境・安全・快適性を高める新技術を活用した自動車のモデルチェンジ対応や生産効率化に向けたライン改革などの投資が増加する。化学では医薬品・化粧品・衛生品向け投資や研究開発拠点への投資が増加するほか、鉄鋼でもコークス炉改修や生産性向上とコスト競争力強化のための設備更新・集約投資など、事業基盤強化のための投資が増加する。また、航空機に関連した投資が輸送用機械や一般機械などの複数の業種でみられる。
    非製造業(8.8%増、寄与度5.6%)は、は、運輸で鉄道の高速化や安全防災対策のほか、物流施設整備などが増加する。また、卸売・小売はスーパーなどの新店・既存店投資、不動産は首都圏を中心に中長期的な計画に基づく国際ビジネス拠点・防災機能も備えた大型開発案件などが増加する。
  4. 4.
    企業行動に関する意識調査では、国内での有形固定資産投資のほか、海外での有形固定資産投資や研究開発、M&A、人的投資などを含めた「広義の投資」をテーマに調査を行った。広義の投資について、製造業では、有形固定資産投資と並んで、研究開発と人的投資を重視するとの回答が多かった。また、人材確保に懸念を示す企業が増えており、特に現場を支える技能労働者の後継人材が不足しているとの回答が多かった。こうしたなか、人的投資の面では、現場でのOJTや若手の登用などを重視する意見が多かった。情報化投資については、製造業、非製造業ともに、7割の企業が近年、増加傾向にあると回答した。M&Aについては、製造業の36%、非製造業の23%の企業が2010年度以降にM&Aを実施したと回答し、目的としては事業規模やシェア拡大、事業分野の拡大などが多かった。
  5. 5.
    海外設備投資は、全産業で1.3%減と2年連続で減少する。製造業は、輸送用機械の減少が続くほか、一般機械や電気機械も減少に転じるが、化学などの増加により、4.7%増となる。非製造業は、卸売・小売や不動産が大きく増加するものの、鉱業の減少により13.2%減となる。国内設備投資が増加する一方、海外設備投資が減少するため、海外設備投資比率は3年連続で低下する。

報告書

上記報告書は、調査レポ―ト第109号として発表

お問い合わせ

日本政策投資銀行 設備投資計画調査担当
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