東京湾におけるLNG燃料供給事業者(エコバンカーシッピング(株))に対し、出資を決定-「特定投資業務」を活用し、東京湾におけるLNG燃料供給船の整備を支援 -

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、エコバンカーシッピング株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:中村宗、以下「当社」という。)に対し、出資を決定しました。

 海運業界では、船舶燃料に含まれる硫黄分濃度に関する環境規制が2020年1月より強化され、これまで舶用燃料として主流であった重油(注1)がそのままでは使用できなくなることから、代替燃料として、重油と比較して硫黄分が100%削減可能であり、環境への負荷が低いLNGを燃料とする船舶が増加していくことが期待されています。
 また、温室効果ガスの排出規制が今後強化されていく中で、硫黄分のみならず、二酸化炭素も約25%削減が可能であるLNGは、需要が益々高まることが予想されています。
 そのような中で、多数の船舶が利用する東京湾において、LNG燃料供給インフラの整備は急務となっています。

 当社は、こうした背景から、東京湾において、舶用LNG燃料供給事業を行うことを目的として、上野トランステック株式会社、住友商事株式会社、横浜川崎国際港湾株式会社の出資により新設された企業です。当社は、LNG燃料船に対してシップ・トゥー・シップ方式(注2)でのLNG燃料供給を行うべく、現在LNG燃料供給船を建造中です。
 
 DBJは、これまでも、レポート「海洋環境規制を巡る船舶燃料市場の現状と展望」(2018年12月)を公表する等、環境規制の強化に対する海運業界の取り組みをサポートしてまいりましたが、この度、当社の取り組みを、環境負荷が低いLNG燃料船の普及促進に資するのみならず、東京湾の国際的な地位の維持・強化に資する先駆的かつ意義の高い取り組みであることから、「特定投資業務」を活用し、当社のLNG燃料供給船建造資金および長期の事業資金を対象として、リスクマネーの供給を行うこととしました。
 本件は、需要が不確定な舶用LNG燃料供給事業へのリスクマネー供給により、当社事業の安定化と中長期的な発展に寄与するものです。
DBJは、今後とも海運業界を取り巻く環境規制強化に関し、多方面から継続的な支援を実施し、海運業界の発展に貢献してまいります。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、今後とも、「特定投資業務」を通じた成長資金にかかる市場の発展や地域経済の活性化、競争力強化に向けたお客様の取り組みを積極的に支援してまいります。

(注1)重油:主に舶用燃料として現在使用されているC重油のこと。
(注2)シップ・トゥー・シップ方式:錨地に停泊または岸壁や桟橋に係留中の船舶に対して、燃料供給船が接舷して船舶燃料を供給する行為のこと。


【お問い合わせ先】
   (株)日本政策投資銀行 企業金融第4部 電話番号 03-6311-5042

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