川崎汽船(株)に対し、シンジケーション方式 トランジション・リンク・ローンを組成
-経済産業省のクライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業に採択された、本邦初のトランジション・リンク・ローン-

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、川崎汽船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:明珍幸一、以下「当社」という。)に対し、本邦初のシンジケーション方式トランジション・リンク・ローン(注1、以下「本ローン」)契約を締結いたしました。

 当社は外航分野全般のほか物流も手掛ける、我が国でも有数の海運事業者です。当社は、2015年3月に「"K"LINE 環境ビジョン2050『 青い海を明日へつなぐ 』」を策定、LNG 焚きの自動車船(Century Highway Green)をはじめとするLNG 焚きの船舶の導入や風力を利用した自動カイトシステム"Seawing"の搭載等を通じ、2050年までにCO2排出量の半減の目標を掲げています。

 本ローンは、当社のトランジション戦略と整合したサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)を設定して金利条件等と連動させることで、当社にトランジション戦略の実現に対するインセンティブを与え、社会における脱炭素化・低炭素化を促進させることを目的としています。

 また、本ローンは、本邦で初めてトランジション・リンク・ローンとして、経済産業省・環境省・金融庁の定めるクライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業に採択されました(注2)。また、本ローンの適格性については、国際資本市場協会(ICMA)「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」およびLMAなどが策定する「サステナビリティ・リンク・ローン原則」等に準拠する旨、株式会社日本格付研究所(以下「日本格付研究所」)による第三者評価を取得しました(注3)。

 DBJでは第5次中期経営計画(2021年5月20日付「第5次中期経営計画について」参照)において、投融資を通じて持続可能な社会に貢献すべく「GRIT戦略」(注4)を推進することとしており、本件は、GRIT戦略にも繋がる取り組みです。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、持続可能な社会の実現に向けたお客様の取り組みを支援してまいります。

 (注1)トランジション・リンク・ローンとは、パリ協定が目指す脱炭素社会の実現に向け、長期的な移行(トランジション)戦略に則った温室効果ガス削減に取り組んでいる企業を支援することを目的とした融資の枠組みであるトランジション・ロ-ンにおいて、事前に設定した SPTs のベンチマークに対する借り手のパフォーマンスと貸出条件等を連動させるものです。

 (注2)経済産業省のウェブサイトをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/climate_transition/003.html

 
(注3)株式会社日本格付研究所のウェブサイトをご参照ください。
https://www.jcr.co.jp/download/33845b6868e1e6986f6bfb0cbb6169cca3162126c5b371bbc6/21d0585.pdf

 (注4)G:グリーン社会の実現、R:しなやかで強い安心安全な地域・社会や産業基盤の構築、I:事業化可能と評価できるイノベーションへの取り組み、T:現在の事業基盤を前提とした移行に向けた戦略的取り組み、を表すもので、第5次中期経営計画においてDBJグループが重点的に取り組む分野を表したものです。



【お問い合わせ先】
  企業金融第4部 電話番号 03-3244-1993

DBJ News一覧へ戻る