「サステナブルツーリズムの現状と北海道における今後の方向性~持続可能な観光地づくりの推進に向けて~」を発行

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、このたび「サステナブルツーリズムの現状と北海道における今後の方向性~持続可能な観光地づくりの推進に向けて~」と題した調査レポートを発行しました。

 北海道では、観光産業を戦略成長分野と位置づけ、重点的な強化を図っています。係る中で、気候変動による観光資源の魅力低減、観光公害による地域への悪影響といった観光地としての持続性を失うリスクやSDGs・カーボンニュートラルへの対応は、持続的成長や国際競争力強化の観点から非常に重要となります。

 当レポートでは、サステナブルツーリズム(以下「ST」という。)を旅行理念として捉えた上で、STを土台とする新型コロナウイルス感染症終息後を見据えた北海道の観光戦略について取りまとめております。主な内容は以下のとおりです。

・国際認証の取得状況などから観光地のSTへの取り組み度合を見ると、欧米豪地域の方がアジア地域に比べ、先進的に取り組んでいる傾向にある。また、旅行者のSTの志向度合に関して、若年層であるほど、そして高所得者層であるほど、STの志向度合は高まる傾向にある。
・STの普及はこれらの観光地・旅行者から徐々に進み、中長期的には旅行のスタンダードになると考えられる。係る中で、STの取り組みが後進的になることで観光地に選ばれないリスクが中長期的に存在する一方、STを先進的に取り組むことで、差別化・ブランド力向上、STを付加価値とした消費単価や域内調達率の向上などのチャンスも存在すると考えられる。
・雄大な自然などの観光資源に加え、独自の文化資源や地域産業を有する北海道は、STを志向する旅行者が求めるニーズとも合致しており、北海道とSTの親和性は相応に高い一方、ST推進にあたって、地域を統括するマネジメント体制整備やコスト負担増を賄う財源確保といった課題が存在する。
・課題解決策として、①マネジメント体制においては、自治体・DMO主導のもと、地域住民などとの綿密なコミュニケーションを図り、地域のSTの理解醸成・連携を促進すること、②財源確保においては、関係者間との調整などを踏まえた上で、ST推進を使途とした地域の実情にあった適切な施策を導入すること、が求められ、これらの取り組みを段階的に推進していくことが重要である。

 当レポートをご希望の方は、DBJウェブサイト「調査研究レポート」に掲載していますので、ご参照ください。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、地域に役立つ情報発信を積極的に行ってまいります。



【お問い合わせ先】
北海道支店 企画調査課 電話番号 011-241-4117

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