DBJ Green Building認証スコアリングシートの改訂方針について-不動産の社会分野への取り組みとデータの定量的な計測・開示を支援-

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、2023年3月8日にDBJ Green Building認証アドバイザー委員会を開催し、スコアリングシートの改訂方針を定めました。
 今回改訂において新たに加わる点は以下を予定しています。

・社会分野への取り組み

(1) 感染症対策
(2) 多様な働き方への対応
(3) レジリエンスに係る認証
(4) サイバーセキュリティ

・定量的な計測・開示

(5) 温室効果ガス排出量のScope3開示
(6) データの正確性に関する第三者保証
(7) 気候変動に関する定量的な移行リスク分析

・双方の要素

(8) 社会分野のKPI設定と計測

 DBJ Green Building認証は2011年の創設時より、不動産の社会的側面も評価に取り入れたESG総合評価の認証制度として発展してきました。従来、国内外のESG・サステナビリティに関する最新動向の反映を目指しており、2021年8月には木材利用を評価に反映する改訂を実施しています。

 今回改訂の目的は、2019年の前回大規模改訂以来、様々な社会変化やESG・サステナビリティに関する国内外の動向が、不動産に求められる機能・役割や事業者に求められる取り組みの変化も促してきたことから、斯かる変化の反映を企図したものです。具体的には、①不動産の社会(「S」)分野への取り組みと②データの定量的な計測・開示に対する評価を強化する方針とします。

 社会(「S」)分野においては、とりわけ新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、不動産における感染症対策の必要性を生じさせたほか、リモートワークの拡大やデジタル化の進展等の社会変化を加速させたところ、今回改訂では、それらが促した不動産の機能・役割の変容を評価項目に反映する方針です。
 なお、斯かる改訂に当たっては、国土交通省「不動産分野の社会的課題に対応するESG投資促進検討会」の議論を踏まえ、まとめられた「『社会的インパクト不動産』の実践ガイダンス」も参考としています。

 また、脱炭素に向けた取り組みが全世界的に加速する中で、サプライチェーンも含めた温室効果ガス排出量等の環境データの計測・開示やその正確性の保証に係る社会的な要求が強まっています。不動産の有するリスクや正の外部性を評価していくためにも定量的なデータの重要性は大きく、今回改訂はデータの定量的な計測・開示に関し取組を進める事業者の評価を目指しています。

 なお、ESG・サステナビリティの分野では、様々なテーマ(例:Embodied carbon、生物多様性等)において、常に規制や開示枠組み、市場基準等の更新が行われている状況であり、DBJ Green Building認証では、今後も国内外の最新動向を注視しつつ、反映を検討してまいります。

 DBJは今回改訂により、企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、不動産のESG促進・サステナビリティ向上の実現に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。

今回改訂を反映した認証については、2023年中より適用する予定としておりますが、具体的な適用開始日及び改訂後のスコアリングシートについては、詳細決定後に改めて公表いたします。


【お問い合わせ先】
アセットファイナンス部 電話番号 03-3244-1714

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