「オフィスビルに対するステークホルダーの意識調査2023」を発行

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、株式会社価値総合研究所と共同で、「オフィスビルに対するステークホルダーの意識調査2023」と題した調査レポートを発行しました。

 コロナ禍による働き方変化、環境配慮やウェルビーイングに対する社会的要請の高まりを受け、企業がオフィスビルに対して持つニーズ等は今後さらに変化することが予想されます。
 当レポートでは、オフィスビルに入居するテナント企業のほか、不動産オーナー、資産運用会社(以下、不動産オーナー及び資産運用会社を併せて「オーナーサイド」という。)、レンダー・投資家といったオフィスビルに係るステークホルダーに対し、オフィスビルへのニーズ等の意識についてアンケート調査を行うとともに、今後のオフィスビルのあり方等について考察を行いました。

 今回の調査結果のポイントは以下のとおりです。
<オフィスニーズの変化に関するポイント>

(1) 環境配慮性能・レジリエンス性能・ウェルビーイング対応等、テナントのニーズ多様化が進展しており、オーナーサイドも同様の認識を有している。特に、環境配慮は企業規模に関わらず、ステークホルダーへの説明責任が高まり、重要度が高い。
(2) 人的投資の観点から従業員満足度向上・優秀な人材確保に繋がるオフィスニーズが高まっており、オーナーにはその対応が望まれる。
(3) ESGへの意識の高まりから、オーナーサイドの8割が木材利用に関心を示す一方、テナントでは半数程度に留まっており、オーナーサイドは、木材活用のメリットを具体的に示すなどして、テナントの関心を更に高める必要がある。

<市場への影響・期待に関するポイント>

(1) 環境・ウェルビーイング対応ビルへの5%以上の賃料プレミアムを期待するオーナーが増加。大企業テナントに加え、賃料上昇を許容する中堅・中小企業も相当数存在。
(2) テナントによる情報開示への対応のため、オーナーはスマートビルディング導入等によりエネルギー使用量の定量化・管理可能な環境を構築する必要がある。また、係る対応が講じられていることを表象する環境認証のテナント認知度向上も望まれる。
(3) 建築費高騰等を受け、テナントの意識やオーナーのニーズが変化しており、既存ビルの魅力向上のため、改修による性能向上への注目度は高まる可能性がある。地方都市でも、環境配慮性能が東京同様に重要視されており、ウェルビーイング対応は東京と比較してやや劣るものの今後波及していくとみられる。

 当レポートの詳細は、DBJウェブサイト「調査研究レポート」に掲載していますので、ご参照ください。

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