「2025年度 設備投資計画調査」について
先行き不透明感はあるも、二桁増を維持
~非製造業はバブル期を超える伸びから一服、製造業は堅調~

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、「2025年度 設備投資計画調査」の結果を取りまとめました。

 今回の調査では、大企業の2025年度国内設備投資は、前年比14.3%増となり、計画時点としては4年ぶりに20%を下回りましたが、米国の関税強化など先行き不透明感がある中でも二桁増を維持しました。製造業は自動車の電動化(ハイブリッド車など含む)投資の継続や素材業種を中心とした脱炭素投資により、21.0%増の高い伸びを維持しますが、非製造業は前年度の伸びが高かったこともあり、11.3%増と伸びが一服します。地域別には、北陸や北海道、東海などが大幅増となる計画です。

 また、今回調査に基づく企業行動の特徴としては以下が挙げられます。

  • 米国の関税強化の影響はまだ顕在化していないが、中国拠点を縮小する動きが顕著に。中国拠点を縮小する企業では、日本を含むサプライチェーン多様化の動きもみられる。25年度の海外設備投資計画は国内投資の伸びを下回り、海外投資比率の低下傾向が続く。
  • 物価上昇や人手不足をリスクと認識する企業が多い。大・中堅企業ともに価格転嫁、賃上げのスタンスは変わらないものの、賃金の引上げペースが鈍化している。株価上昇に向けては、事業ポートフォリオの見直しなど事業に関わる取り組みの機運が一層高まる。また、広義の投資については、人的投資の割合が継続的に上昇。
  • 人材の獲得のため、賃上げを人的投資と捉える動きが加速。人材獲得の代替策としては、デジタル活用などに引き続き前向き。
  • デジタル化投資は、コロナ以降高い水準で推移。AIの活用がさらに高まり、データ分析の取り組みも進むが、データ利活用の内容には課題。研究開発は脱炭素投資などにより高い伸びが続く。
  • 脱炭素の取り組みが徐々に具体化する中で、価格転嫁が最大の課題に。足元の取り組みの内容は省エネ、再エネが中心である状況に変わりはないが、中長期では水素・アンモニアなど新エネを中心とした新技術に注目する動きも。
  • 25年度の地域別設備投資は、北陸、北海道、東海などが大幅増となり、二桁増の計画。多くの中堅企業が人手・後継者不足、人件費上昇をリスクと認識する一方、大企業以上に内外の政策見直しを成長機会と認識。

     本調査の詳細は、DBJウェブサイト設備投資計画調査をご参照ください。

 なお、本調査は個別企業名を出さないという前提のもと、回答にご協力をいただいております関係上、個別企業名にかかるお問い合わせには応じかねますので、あらかじめご了承ください。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、今後とも地域に役立つ情報発信を積極的に行ってまいります。



【お問い合わせ先】
調査・研究本部 産業調査部
全国 E-mail  capex@dbj.jp
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