No.245 生産設備の稼働状況等からみた中国製造業の現状と課題

 世界経済への影響力が益々高まる中国経済の中で、製造業の過剰設備は大きなリスク要因となっています。本稿では、中国の製造業の稼働率を定量的に把握するため、公表されている生産能力や生産の統計を用いて稼働率を算出しました。データ年数の短さや公表産業数の少なさといった制約はあるものの、直近4年間の稼働率は70%台半ばの水準で緩やかに低下していることが明らかになりました。中国製造業の再編は不可避ですが、根本的な解決のためには、さらなる国有企業改革や、研究開発強化などを通じた製品差別化が必要です。

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