No.304 金融緩和下の米国における債務の拡大

米国では、FRBがリーマンショック後に行った未曾有の金融緩和からの正常化を進めたものの、2019年には外需減速や物価伸び悩みなどを背景に、「予防的利下げ」に踏み切りました。緩和的な金融環境の長期化は、景気を下支えする一方、金融市場でバブルの醸成につながることが懸念されます。90年代以降の米国の景気後退は、ITバブルの崩壊や信用不安など、金融面の不均衡によりもたらされました。このことを踏まえ、本稿では、緩和的な金融環境下で金融面の不均衡が蓄積されていないか、企業、家計の債務に着目して点検を行います。

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