社会実装に向けて離陸する新たなモビリティ「空飛ぶクルマ」
～日本社会にもたらす変化と可能性～

　人類史上、自動車、鉄道、飛行機といったモビリティの誕生は、社会や産業構造を一変させてきました。「空飛ぶクルマ」もまた、短・中距離の日常的な空の移動を提供する新しいモビリティとして、社会全体を大きく変化させる力を持っており、様々な社会課題を抱える日本にとってその導入意義は大きいと考えられます。
　空飛ぶクルマは、世界的には「eVTOL（electric Vertical Take-off and Landing：電動垂直離着陸機）」と呼ばれ、現在世界各地の企業が様々なコンセプトで開発を進めており、機体・運航価格や操作性などの観点から、新たな移動手段として世界的に大きな注目を集めています。
　本稿では、空飛ぶクルマの特徴や開発動向を紹介するとともに、日本における活用可能性や産業としてのポテンシャル・課題について考察しております。