(株)FLOSFIAに対し「Society5.0挑戦投資制度」を活用した投資を実施
~グリーン成長に貢献する次世代パワー半導体開発を支援~

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、株式会社FLOSFIA(本社:京都府京都市、代表取締役:人羅俊実、以下「当社」という。)に対して、「Society5.0挑戦投資制度」(注1)を活用した出資を実行しました。


 当社は、α型酸化ガリウム(α-Ga2O3)を用いた次世代パワー半導体(以下「GaO®パワーデバイス」)を世界に先駆けて開発・製造する京都大学発ベンチャー企業です。

 パワー半導体は、電力の変換・制御を行う半導体であり、効率的な電力使用のためのキーデバイスです。カーボンニュートラル社会の実現に向け、電装化が進展する社会において、パワー半導体の性能向上による電力変換ロスの低減は、グローバルな環境問題を解決するひとつの手段として注目されています。

 当社は、2011年の設立以来、低コストで高品質なパワー半導体の開発に取り組んでいます。当社が開発・製造するGaO®パワーデバイスは、従来製品に比べて10%を超える省エネ性能の向上が見込まれており、一般家庭用の電気製品のみならず、運輸・通信・産業など、電気を利用するあらゆる分野においてエネルギー利用の効率化を達成する可能性を有しています。特に、今後拡大が見込まれる電気自動車で採用されれば、航続距離の伸張が可能になる等の利便性の向上が図られ、大きな社会的インパクトが期待されます。当社製品は、産官学の連携の下で開発が進められており、今後の電化社会にイノベーションをもたらす革新的な製品として早期の実用化・普及が望まれています。

 DBJは、本件が、グリーンで持続可能な社会の実現に資するものであることに加え、我が国のパワー半導体サプライチェーンの強化に貢献するものであることから、「特定投資業務」(注2)の一類型として設置した「グリーン投資促進ファンド」(注3)から出資資金を拠出しています。今後も、当社および各ステークホルダーと密に連携しながら、GaO®パワーデバイスの社会実装を積極的にサポートしていきます。

(注1)わが国の社会課題の解決や、新たな価値観での新産業創造を目指して持続可能な社会作りに貢献する活動に対し、投資によって事業参画するDBJ独自の出資制度です(2020年7月6日プレスリリース「イノベーション活動への新たな挑戦」)。

(注2)民間による成長資金の供給の促進ならびに地域経済の活性化および我が国企業の競争力の強化を図るため、国からの一部出資(産投出資)を活用して、成長資金を時限的・集中的に供給する業務です。

(注3)「特定投資業務」について、2050年カーボンニュートラルを目指す政府の方針等も踏まえ、グリーン社会の実現に資する事業等への取り組みを幅広く支援することを目的として設置した資金枠です。


【お問い合わせ先】
   業務企画部 イノベーション推進室 電話番号 03-6311-5048

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