(株)大宣システムサービスへの出資について-我が国の生産性向上を支えるIT系BPO事業者のさらなる事業成長を支援-

 株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」という。)は、株式会社大宣システムサービス(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:大嶋芳明、以下「当社」という。)に対して、コバルト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山下直飛人)とともに出資を実行いたしました。

 当社は、主に保険会社等の金融機関や保険代理店等に対し、顧客情報の管理システムの開発・運用から書類の印刷・封入・発送までのワンストップBPO(Business Process Outsourcing)サービスを提供しており、保険業界との長年の取引に基づく業務ノウハウや、複雑性・個別性の高い業務に対する自社開発システムを活用した正確かつ効率的なオペレーション構築に強みを有しています。

 また、FISC安全対策基準対応(注1)の堅牢なデータセンター(注2)を自社保有しているほか、データ管理から事務オペレーションまでの全てを東京・大阪の2拠点にて常時相互バックアップ、2021年には日本で初めてISO7規格統合マネジメントシステム(注3)にて最高評価のプレミアム・ステージを取得するなど、業界随一のセキュリティ・BCP体制構築を進めてまいりました。

 少子高齢化や人口減少が見込まれる我が国において、保険会社各社は、消費者のニーズに対応した多様な保険商品の展開や、消費者の属性・ライフスタイル等に応じてカスタマイズされたマーケティング施策を強化しています。加えて、昨今保険会社を中心に個人情報の漏洩が相次いで発生しているほか、2024年10月に金融庁より「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」が公表されたこと等を受け、金融機関にとっては外部委託先に対するリスク管理・セキュリティ体制の強化が急務となっています。

 DBJは、かかる状況が、保険・金融業界のみならず、効率的な顧客獲得のためにカスタム型マーケティングが求められる業界や、秘匿性の高い個人情報を取り扱う業界等にも広く共通しており、当社の取り組みがこうした業界の抱える課題を解決し、ひいては我が国の生産性向上に資するものであることから、当社に対する成長支援を実施することにいたしました。

 本件は、当社の強みを活かした受注拡大や、BPO・システム開発業界等におけるM&A推進等を通じたさらなる事業成長を通じ、当社の企業価値向上や人口縮減等が進む我が国の生産性向上への貢献を目指すものです。

 DBJは、今後とも企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、お客様の取り組みを積極的に支援してまいります。

(注1)FISC安全対策基準:公益財団法人金融システムセンターが発行している「金融機関等コンピューターシステムに関する安全対策基準・解説書」。

(注2)旧大阪証券取引所にて使用されていた電算センターをリノベーションしたデータセンター。日本データセンター協会の制定する「データセンターファシリティスタンダード」のティア3レベルをクリアし、近年では工事申請が困難な2電源系統の供給ラインを確保している。

(注3)ISO統合マネジメントシステム:ISOマネジメントシステム(国際標準化機構(ISO)にて制定された、組織の品質活動を管理するための仕組みに関する国際的な規格)を同時に複数取得・運用し、それらを連動させることで、組織全体における運用の一貫性や効率性を高めることを目的とした、一般財団法人日本品質保証機構が提供するプログラム。



【お問い合わせ先】
企業投資第2部 電話番号 03-3244-1140

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