全国設備投資計画調査(2025年6月)

DBJが毎年実施している民間法人企業を対象とした設備投資計画調査です。

概要

2025年度の設備投資計画の特徴

先行き不透明感はあるも、二桁増を維持
非製造業はバブル期を超える伸びから一服、製造業は堅調

1. 国内設備投資

大企業(資本金10億円以上)の2024年度の設備投資は、通信・情報のAI計算基盤構築や自動車の電動化投資などにより、3年連続で増加(前年比10.5%増)し、バブル期以来の高水準に。25年度は前年比14.3%増となり、計画時点としては4年ぶりに20%を下回ったものの、米国の関税強化など先行き不透明感がある中でも二桁増を維持。製造業は自動車の電動化投資の継続や素材業種を中心とした脱炭素投資により、21.0%増の高い伸びを維持する。一方、非製造業は前年度の伸びが高かったこともあり、11.3%増と伸びが一服。

2. 米国の関税強化による影響、サプライチェーンと海外投資

米国の関税強化の影響はまだ顕在化していないが、中国拠点を縮小する動きが顕著に。中国拠点を縮小する企業では、日本を含むサプライチェーン多様化の動きもみられる。25年度の海外設備投資計画は国内投資の伸びを下回り、海外投資比率の低下傾向が続く。

3. 企業経営

物価上昇や人手不足をリスクと認識する企業が多い。大・中堅企業ともに価格転嫁、賃上げのスタンスは変わらないものの、賃金の引上げペースが鈍化している。株価上昇に向けては、事業ポートフォリオの見直しなど事業に関わる取り組みの機運が一層高まる。また、広義の投資については、人的投資の割合が継続的に上昇。

4. 人的投資

人材の獲得のため、賃上げを人的投資と捉える動きが加速。人材獲得の代替策としては、デジタル活用などに引き続き前向き。

5. デジタル化・研究開発

デジタル化投資は、コロナ以降高い水準で推移。AIの活用がさらに高まり、データ分析の取り組みも進むが、データ利活用の内容には課題。研究開発は脱炭素投資などにより高い伸びが続く。

6. 脱炭素

脱炭素の取り組みが徐々に具体化する中で、価格転嫁が最大の課題に。足元の取り組みの内容は省エネ、再エネが中心である状況に変わりはないが、中長期では水素・アンモニアなど新エネを中心とした新技術に注目する動きも。

7. 地域別設備投資と中堅企業の特徴

25年度の地域別設備投資は、北陸、北海道、東海などが大幅増となり、二桁増の計画。多くの中堅企業が人手・後継者不足、人件費上昇をリスクと認識する一方、大企業以上に内外の政策見直しを成長機会と認識。

報告書

大企業増減率の推移

増減率の推移を、時系列でまとめて見ることができます。
以下のExcelファイルをダウンロードしてご覧ください。

過去の調査結果

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お問い合わせ

日本政策投資銀行 産業調査部 設備投資計画調査 事務局
E-Mail: capex@dbj.jp