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SPECIAL INTERVIEW

DBJを知る

4つのDNA

DBJらしさの源泉である
脈々と受け継がれてきた4つのDNAとは?
03

EMIKO YAMAMOTO

山本 枝実子【写真左】

人事部 参事役 ※取材当時

2006年入行。エネルギー分野を担当後、関西支店で産業調査に従事。その後、商社との共同投資案件などを経験し投資アドバイザリー会社への出向を経て、2020年から現職。

TAKAKI SHIMADA

島田 昂樹【写真中央】

人事部 調査役 ※取材当時

2009年入行。事業再生ファイナンスを皮切りに、南九州支店での法人営業・企画調査、エネルギー分野の投資案件などを経験。DBJアセットマネジメント(株)への出向を経て、2019年から現職。

TOSHIYUKI NAKAO

中尾 敏之【写真右】

人事部 副調査役 ※取材当時

2015年入行。通信業界への投融資を経験後、九州支店にて航空宇宙産業や熊本地震の復興支援業務を担当。ロンドン現地法人でのトレーニーを経て、2020年から現職。

4つのDNAが
意味するところとは

島田 「4つのDNA」は、DBJで働くうえでの基本になる考え方ですね。そして、私たち採用担当が学生の皆さんに説明をする際に重視していることの一つでもあります。私たちがこのような場を設けてDNAの話をするのは初めてですが、学生の皆さんにも分かりやすいようにDBJのマインドをお伝えしていきましょう。

ではまず私から。DBJには、「長期性」「中立性」「パブリックマインド」「信頼性」という4つのDNAがあります。そしてこのうち「長期性」は、DBJが戦後復興の時代から長期の資金を提供してきたという歴史的背景を持ったものです。長期的な目線でお客様やその先にある産業や社会を見据え、支援をしていく考え方がずっと受け継がれてきたということですね。

山本 また、世の中の多くの会社は、企業グループで区分されることがありますが、DBJは政府系金融機関なので、どのグループにも属していない。だから、中立的な立場で日本の経済社会にとって何がベストなのか、という視点で働ける。これが私たちの「中立性」ですね。

中尾 次に「パブリックマインド」は、読んで字のごとく公益に資するということですが、私たちの仕事への取り組み姿勢の根幹にあるものです。収益だけではなくて最終的な社会への貢献を考えて社会の課題に取り組むことができる。これは職員一人ひとりが働くモチベーションの一番根っこにある部分だと思っています。

島田 そして長期性や中立性、パブリックマインドを持って仕事に向き合っていった結果、お客様や社会から得られるのが「信頼性」だと思っています。

画像:「4つのDNA」

DNAのケーススタディ

島田 ところで、ふたりはそれぞれのDNAが実際の仕事にどのように活かされていると思いますか?

山本 例えば「長期性」ですと、再生可能エネルギーや空飛ぶクルマを開発しているベンチャー企業の支援などに活きていると思います。日本の新しい産業を長い目線でサポートしていますからね。

中尾 「中立性」だと、空港の民営化(コンセッション)ですかね。関係者が何十社もいる中にDBJが入って、推進役を務めているのは中立性がなければできない役割だと思います。

島田 燃料電池自動車向けの水素ステーションを整備するプロジェクトも、中立性が発揮されているものですね。DBJが間に入り、いくつもの業界の企業をつないでいる。また、地域の金融機関の間に入った例としては、最近では北海道の地震のあとの復興支援もそうですね。

中尾 地震のあとに復興応援ファンドなどをつくって、被災企業を支援するのは、「パブリックマインド」でもあるかな、と。

画像:山本 枝実子

事例や体験談から
DNAを感じ取る/
パブリックマインド

山本 「パブリックマインド」と言えば、私には1つ忘れられない思い出があるんです。入社3年目の関西支店時代に、「関西圏に関するレポートを書いてみないか」というお題をいただいた時の経験です。

島田 ずいぶん、ざっくりしたお題ですね。

山本 そう、まずテーマ探しが大変で…。新聞や雑誌、経済団体の方々などから必死に情報を集めても、レポートにすべきテーマが見つからず、すごく思い悩みまして…。様々な紆余曲折を経て行き着いたのは、「日本の地域を盛り上げたい」という入行時の想いでした。そこで初心に返って、関西圏の企業を回り歩いたり、産業展に行ったりと、地域産業の強みや課題について、それこそ足が棒になるくらい地道に調べていったんです。そこで行き着いたのが、当時世界一の蓄電池産業の生産地を支えている、数多くの中堅・中小企業の存在でした。蓄電池の材料を均一にまぜる、薄くのばす、といった特殊な技術を持った数多くの企業がすそ野を支えている事実でした。問題は、それらの会社の高い技術が海外に流出している現状を目のあたりにしたことです。そして「このような優れた技術力を持つ企業を応援していかなければいけない」という内容をレポートにまとめあげたのです。それが結果として省庁や自治体までもが動いてくれることにつながっていったのです。

島田 当時、山本さんのレポートは、DBJ内はもちろん外部でもすごく有名になっていて、私も山本さんが登壇された勉強会で質問しましたよね。「どういう案件につなげるために作成したんですか?」と。そうしたら、「目先の案件ではなく、世の中の課題に真摯に向き合うところから始まる」と言われて…(苦笑)。山本さんに「パブリックマインド」というものを教えられたのを覚えています。

山本 質問されたのは覚えていないですけど(笑)。産みの苦しみを味わいつつも、地域を元気にするための新たな視点を示すことができた。「パブリックマインド」の大切さを、本当に身をもって経験した貴重な体験でしたね。

画像:島田 昂樹

事例や体験談から
DNAを感じ取る/中立性

島田 なるほど。では続いて私から「中立性」の体験談を。それは支店にいた時、地元の二大企業グループが共同プロジェクトを立ち上げたいというので、DBJが2社の間に入り、橋渡し役を務めた際のことです。

中尾 そのような2社は、事業によってはライバル関係にあるでしょうから、橋渡しをするのは大変ですよね?

島田 そうなんです。実は片方の会社の財務責任者の方と長いお付き合いがあって気心も知れた仲だったんです。でも、そちらの企業に寄って仕事をしてしまったら、当然ですが2社の組み合わせをまとめ上げることができませんからね。

中尾 ところでどんなプロジェクトだったんですか?

島田 そのプロジェクトというのは過去に前例が少なく、事業化のハードルが高いもので慎重に検討する必要がありました。詳しくお話しできないのが残念ですが、私は事業化にあたってDBJのネットワークを活かし全国の関係者にヒアリングを重ねるなどリサーチをしたうえで、双方にそのプロジェクトの妥当性や収益性からストラクチャーまでフラットにご提示したわけです。そこから双方の利害関係などを取りまとめていく中で、先ほどの財務責任者に対しても、違うと思うところは率直に「違う」と言わせてもらい、それで実際「うるさい」と怒られたこともありました(苦笑)。 でも、そうして中立的な姿勢を守ったからこそ、もう1社も私の言うことに客観性があると感じてくれて、信頼を得られたんだと思います。これは10年くらい前の話なんですが、今では複数のプロジェクトが立ち上がっていて順調に推移していると聞いています。

山本 複数のお客様を目の前に「中立性」をつらぬくことは、実際はとても難しいことです。でも、真にお客様やプロジェクトのことを考えて、時には言いにくいこともきちんとお伝えする姿勢が、最終的に信頼につながってくるんですよね。

画像:中尾 敏之

事例や体験談から
DNAを感じ取る/長期性

中尾 同感です。では、私から「長期性」のお話を。あれは入行して1年目の冬に私が初めて担当することになった案件でのことです。なんと担当交代のご挨拶にお邪魔した際に、その会社さんの歴史の中でも最大の投資を検討しているという話をいただいたのです。今思えば恥ずかしいのですが、1年目にこんな案件を持てるのかとすごくうれしくて。でも本当にすごく大きな投資だったのでリスクもあるし、素直に上司に相談したんです。そうしたら「その会社さんの未来を長期的に考えて、そもそも本当にこの投資が必要なの」と問われたのです。

島田 私も新人時代にその問いかけをもらった経験があるな。まさにDBJらしい話だね。ところでその先はどうなったのかな。

中尾 はい。今でも思い出しますが、そこからは片道2時間以上かけて3か月くらい毎週その会社さんに通って経営陣の方とディスカッションをして、事業計画の作成に関わらせてもらいました。そして最後は「今は投資するべきではない」というゴールに至ったんです。でも、不思議と残念な気持ちはなくて、むしろ良かったと思いました。これがDBJの長期性を身に染みて感じた経験で、純粋にDBJってすごいなと感じましたね。

山本 案件化しそうになったのに、もっと考えろという話は一般的には考えにくいですよね。本当に私たちの長期性をお伝えするのにいい話です。

画像:4つのDNAを身につけた先にあるもの

4つのDNAを
身につけた先にあるもの

島田 私が山本さんから「パブリックマインド」を、中尾君が上司から「長期性」を教えられたとおり、4つのDNAは日常のコミュニケーションの中で伝承されているもので、本や冊子があるわけじゃない。「長期性、中立性はかくあるべき」という定義があるわけでもない。

山本 でも、それが良いのかもしれません。一人ひとりが先輩や上司の背中を見て、試行錯誤しながら自分なりのDNAを育んでいけますからね。

中尾 コロナ禍になる前は飲み会でも、先輩や同期から仕事への向き合い方を問いかけられて、熱い議論になったりもして。そういう中でDNAが刻み込まれてきた面もある気がします。

島田 あと、我々のDNAはお客様に育ててもらっている部分もあるんじゃないかな。お客様の側もDBJは4つのDNAにあるような取り組み方をする組織だと知っていて、そこに期待してくれている。その期待に応えたり、少しでも期待を超える働きをしようと努力したりすることが、DBJをDBJたらしめてくれているんだと思う。もちろん期待を超えるのは、口で言うほど生易しいことじゃない。地道で泥臭い活動を積み重ねる必要があるんですが。

中尾 確かに。4つのDNAは、お客様や社会がDBJに期待していることだからこそ、不変の精神として育まれてきた。そしてDNAを育み続けてきたからこそ、DBJは社会的な役割を果たし、時代に即した貢献ができているんじゃないかと思います。

島田 まさに、DBJが提供する価値の源泉というか。

山本 私たち職員の心の拠りどころでもありますね。

中尾 日々の業務に苦労はあるものの、私は4つのDNAがあるおかげで、常に仕事の意義を感じながら働くことができています。「これをやって何になるんだろう」とか「理不尽だな」と思ったことは、これまでのキャリアの中で一度もないですね。

山本 私もDNAがあるから、「世のため、人のため」という信念に忠実に、自分を偽ることなく、気持ちよく仕事ができていると思います。

島田 全く同感です。最後に私から一言。短期的な利益を追い求めるのではなくて、本気で「その先にある産業や社会」というものを見据えて仕事に取り組める組織ってなかなかないと思います。そして、その源泉が4つのDNAであるということですね。今日はこれくらいで終わりにしましょう。