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SPECIAL INTERVIEW

DBJを知る

DBJが目指す未来

日本、そして世界の未来のために
DBJは何を考え、どう行動しているのか?
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FUMIYO HARADA

原田 文代【写真左】

執行役員(GRIT担当)兼 経営企画部サステナビリティ経営室長 ※取材当時

1992年の入行後、国際畑の業務に長く携わる。企業金融第5部担当部長、ストラクチャードファイナンス部長などを経て2021年より現職。GRIT戦略推進を指揮している。

AYAKA SHINAGAWA

品川 彩花【写真右】

経営企画部 副調査役 ※取材当時

2017年入行。企業金融第5部と関西支店勤務を経て、2021年より現職。学生時代から環境問題などに関心があり、持続可能な社会づくりに関わる仕事はかねてからの希望だった。

DBJの視座
社会課題について

―DBJは未来の社会のために、どのようなテーマに取り組んでいるのですか?

原田 それにはまず、いま日本や世界がどのような課題に直面しているかを見ていく必要がありますね。

品川 いま地球規模で共通の課題になっていることといえば、やはり気候変動の問題ですよね。日本を含む先進国では、2050年までにCO₂などの温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする、カーボンニュートラルを目指す動きが加速しています。日本では、少子高齢化が社会に及ぼす影響も大きいですよね。

原田 カーボンニュートラルの達成を目指す2050年には、日本の生産年齢人口が総人口の約半分になると予想されています。総人口自体も減少すると予想されますし、これからは少ない労働力でも経済規模や豊かさを維持していけるよう、産業構造を変えていかなければいけませんね。

品川 産業構造の転換という観点では、デジタライゼーションを含め新しい技術を積極的に産業に取り入れていくことが必要ですね。さらに、デジタル技術はクロスボーダーの動きを加速させていて、日本企業・経済は国際化なくして語れません。

原田 今お話ししてきたような内容が、私たちDBJが今後の日本の経済社会に大きな影響を及ぼすと考えている課題なんです。略して「D・A・I・S(ダイス)」。Digital、Aging、International、Sustainabilityの頭文字を合わせた言葉です。

画像:原田 文代

課題解決のための戦略
DBJが描く未来

―ではDBJはこれらの課題を解決するために、どのような計画を立てているのでしょうか?

原田 DBJは2021年に「第5次中期経営計画」を発表しました。テーマは「つなぐ、共につくる ~Innovation for Sustainability~」です。「D・A・I・S」という潮流により企業の経営課題と社会課題が一体不可分となる中、私たちはお客様起点で多様なソリューションを提供し、日本企業・経済の持続的成長を実現することを目指しています。

品川 こうした課題は、1つの企業や1つの地域だけでは解決できないものばかりですから、色々な企業や産業や地域が連携し、力を合わせることが大切です。そこでDBJが、様々な立場の人たちを「つなぐ」役割を果たし、共により良い未来をつくっていこうということですね。

原田 また、実際の課題解決にあたっての具体的な戦略として「GRIT戦略」というものを考えています。

品川 GRITの「G」は、Greenの頭文字で、企業や産業のカーボンニュートラルへの取り組みを支援すること。「R」は、Resilience & Recoveryの意味で、しなやかで強い安心安全な社会や産業基盤づくりをサポートすることです。

原田 また、「I」は、Innovationの頭文字で、将来的に実用化が見込めそうな新技術の研究開発やその利用を支援すること。「T」は、Transition/Transformationのことで、カーボンニュートラルなどの実現に向けた産業構造の移行を支えていくということです。

品川 この4文字は少しずつ切り口が違います。InnovationやTransition/Transformation は、Green や Resilience & Recovery を実現するための手段という見方もできますが、目指していることは同じ。持続可能な社会をつくっていくことです。

―DBJはGRIT戦略のその先に、どのような未来を描いているのですか?

原田 私自身の想いでもありますが、一言で言えば「次世代の人が夢を持って未来を語れる社会」を築くことですね。いまの学生の皆さんは、日本経済が低迷し「失われた20年」とも「30年」ともいわれる時代を生きてきていますよね。私たちは社会の持続的発展を実現させることで、そのような未来をつくっていきたいと思っています。

品川 DBJにとって持続可能な社会をつくるための取り組みは、昔から力を入れてきたことで、得意分野でもあります。

原田 Sustainabilityという言葉は非常に今日的な言葉ですが、DBJは社是として「経済価値と社会価値の両立」を掲げています。私たちにとってサステナブルな社会をつくるという思想文化は、連綿と受け継がれてきたものであり、時代々々で先駆けて様々な取り組みを展開してきました。決して今だから強調しているテーマではないんですよ。

DBJは早くから、省エネルギー対策のための投資をしたり、太陽光発電や風力発電施設の建設などに資金を提供したりしてきました。災害に強い街づくりや、道路、鉄道、空港などのインフラづくりにも長く携わってきました。

品川 政府系の金融機関として、地震などの自然災害や金融危機が起きた際には、積極的に資金提供を行って、危機からの迅速な回復もサポートしてきましたね。

原田 DBJには、リスクマネーの供給などを通じ、産業・インフラ分野を中心に蓄積してきた幅広く、深い知識やノウハウがあります。このような私たちならではの独自性を活かしながら、単なる金融に留まらない、従来以上の貢献をしていきたいと考えています。数字面では、今後5年間でGRIT戦略を通じて約5.5兆円の投融資実行を計画しています。これは、DBJ全体の投融資金額の半分程度を占める水準です。

画像:品川 彩花

―DBJは時代に応じて様々な挑戦をしてきたのですね。なぜ、このように挑戦し続けられるのでしょうか?

原田 DBJバンカーには、目の前のお客様に誠実に向き合うことと同時に、俯瞰して産業・社会の未来を考え抜くことが求められます。また、新しいものに取り組んでいくということに非常に前向きです。挑戦する人を、周りの人も経営層もみんなで応援してくれます。こうした文化もGRIT戦略の推進力になっていると思います。

品川 また、年次に関わらずフラットに議論ができる、風通しのいい組織だから挑戦もしやすいのだと思います。あと、GRIT戦略というのは、様々な関係者の間に入り、「つなぐ」機能を果たしながら、長期的な時間軸で取り組まなければいけないものです。それができるのは、「長期性」や「中立性」といったDNAがあるからだとも思います。

原田 GRIT関係の案件は本当に息の長いものが多いんです。短期的には利益を生まないものだけど、世の中のためになることならば、そこに敢えて挑んでいくのがDBJという組織です。ですから、お客様や地域の方たちも、「DBJなら自分たちを支えてくれるに違いない」と信頼してくれています。

品川 日本や世界が抱えている課題について、理想を描いても実現できなければ意味がありません。未来の人々のために「いま、自分たちに何ができるか」を真面目に考え、行動に移していく。そうして世の中を一歩前に進めていくのがDBJの人なのではないでしょうか。