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INTERVIEW

DBJの人と仕事

「挑戦する業務職」を
後押しする存在に。

海外✕サステナビリティを軸に、
自らも挑戦を続ける。

KAORI OIZUMI

大泉 香欧里

アセットファイナンス部
2013年入行

業務職|グローバル|サステナビリティ|
アセットマネジメント|投資

CAREER STEP
  • 1年目〜

    企業金融第4部・GAT班

    海外航空機ファイナンス案件のミドルバック業務に従事した後、3年目からはフロント業務に幅を広げ、専門性が必要となる航空機のリサーチ業務や前例のない航空機材投資案件に携わる。

  • 8年目〜

    DBJ Europe Limitedトレーニー

    業務職初の海外トレーニーとしてロンドンのDBJ Europe Limitedに赴任。欧州における航空業界のリサーチ業務を通じて、欧州の先進的なサステナビリティ戦略に触れる。

  • 10年目〜

    アセットファイナンス部

    海外の不動産ファンド向け投資案件においてフロント業務を担当。プロジェクトマネージャーとしても活躍し、後輩業務職の育成にも奮闘中。

入行後は企業金融第4部に配属され、当時立ち上げ後まだ間もないGAT班(海外の航空機ファイナンスを担当)においてミドルバック業務に従事。入行3年目頃からはフロント業務にも幅を広げ、航空機のリサーチを担う役割に任命され、航空機ファイナンスのエキスパートに。8年目、業務職では初となる海外トレーニーとしてDBJ Europe Limitedに赴任。世界におけるサステナビリティへの意識の高さに触れ、その重要性を再認識。帰国後はアセットファイナンス部で海外ファンド投資に携わりつつ、「海外✕サステナビリティ」の2軸で新たな活躍の場を広げるべく挑戦を続けている。

画像:大泉 香欧里

最先端で業界をリードする
DBJだからこそできる
サステナビリティへの貢献。

―― 現在の業務について教えてください。

アセットファイナンスとは、オフィスビルや商業施設などの不動産が生み出す収益力に着目し、投融資を行うことです。私はフロント業務担当として、主に米国・欧州・豪州向けの投資案件に携わっています。具体的には、海外のファンドマネージャーの方々との直接交渉や、弁護士、税務アドバイザーなど多様な分野のパートナーたちとの連携によって案件を実行に導くほか、投融資先のモニタリングや不動産市場のリサーチなども行っています。

―― 海外不動産への投資に、DBJが取り組む社会的な意義は何でしょうか?

近年では欧州を中心にESGやサステナビリティへの関心が高まっており、収益性に注目するだけでなく、公益性も重視したうえで投資するかどうかを判断する動きが主流になりつつあります。そのような流れの中で、不動産という切り口からサステナビリティに寄与することができるのは、DBJという大きな組織ならではだと感じます。私自身、学生時代は環境経済学を専攻しており、DBJに入行した動機もサステナビリティや環境問題に関心があったからです。DBJはDBJ Green Building認証制度を通じて不動産分野における環境や社会への配慮を促進するなど、最前線に立って業界をリードしています。さらには今後、不動産分野でネットゼロを実現するために、新たな仕組みや考え方を取り入れていくことができるのは、先進的な海外のアセットファイナンスを中心に扱う私たちだからこそだと思います。
※「環境・社会への配慮」がなされた不動産とその不動産を所有・運営する事業者を支援する取り組みとして、2011年に創設された認証制度

―― どのようなことを意識して業務に臨んでいますか?

私にとって不動産は未経験の領域でしたが、受け身の姿勢にはならず、得た情報のインプットとアウトプットを繰り返し、不明点をなくすことを心がけています。一方で、これまでに携わってきた航空機ファイナンスとの共通点も多く、自身の経験が十分に活かせていると感じます。幸せなことに周囲の環境にも恵まれ、発想豊かでクリエイティブな仲間たちから良い刺激を受けて自らの業務範囲を広げようと模索している日々です。

「まずはやってみる」。
幾度の困難を乗り越え案件を完遂。

―― 入行後、最初に企業金融第4部に配属された当時のことを教えてください。

配属当初はミドルバック業務の担当者として資金関連業務や決算業務をはじめ、フロント業務担当者と連携し、契約締結や投融資実行の手続きなどを担いました。その時自身のOJT(On-The-Job Training)指導をしてくださっていた先輩の「フロントの人があんなに頑張っているのだから、私も頑張らなきゃ」という言葉で、私も業務への意識が一段階引き上げられたように思います。当時在籍していたGAT班は立ち上げられたばかりで、案件を進める際のマニュアルも整備されておらず手探りのものが多い中、その先輩は、自身の経験も活かしつつ行内の他の部署と連携しながら、膨大なタスクをきめ細やかに進めていました。周りから頼られ、私自身も尊敬している先輩の言葉だっただけに、そのさらなる向上心が強く心に響きました。常に先回りして動き、自身のできる範囲を限定せず、マニュアルにないことも最善を尽くして問題を解決する。スマートなだけでなく、時には泥臭さも必要であるというプロフェッショナルとして持つべき姿勢を教わりました。

―― そこからどのような変遷を?

3年目頃から、ミドルバックの視点からフロント業務のデータベースを改善するなど、自身の業務範囲をフロントにも広げるように。そのような折、上司から航空機のファイナンス評価や業界事情のリサーチを行う役割に新たに任命されました。班として十分にリソースを割くことができていなかった業務に自分が関わることで、班全体の専門性を高め、お客様に提供できるソリューションの幅が広がっていく。そのような大事な役割にフロント業務担当者として従事できたことは、責任を感じる反面やりがいも大きかったですね。また、航空機という自分の専門分野が一つ確立されたことは、以降のキャリアにおける強みにもなりました。

―― 印象に残った案件とご自身の果たした役割について教えてください。

一つ挙げるとすれば、DBJとして航空機に関する知見をより深めるため、自ら航空機を購入し運用するという案件において、航行機を購入するためのSPC(特別目的会社)をアイルランドに設立する業務を主担当で任せていただいたことです。過去に前例のない取り組みであるため手探りで進める他なく、毎日のように想定外の事態が起こる中、SPCの管理会社、弁護士や税務アドバイザー、行内の法務部や経理部など数多くの関係者と議論を繰り返しました。行外の関係者とのやり取りは基本英語であるため、アイルランドの訛りに苦労することも。幾度の困難を乗り越えて案件を完遂できたのは、達成感と自信につながりました。

―― 高いハードルを越え続けることができたのはなぜでしょうか?

一緒にチームを組んでいた上司や先輩の存在が大きかったと思います。自信が持てない局面でも、傍で「やってみよう。失敗しても大丈夫だから」と背中を押してくれました。そうした周囲のサポートもあり、「まずはやってみる」を繰り返してきたことで、一歩ずつステップアップし、やり遂げることができたのだと感じています。挑戦を後押しする、安心できる環境の中で任せ育てる風土がDBJにはあると思います。
また、できると期待されて業務を任された中で、もしできなかったら悔しい。私自身、もともと負けず嫌いでもあり、その性格も自らを鼓舞する一因だったと思います。GAT班で取り扱う投融資案件の対象は何ヶ国にものぼり、国ごとに法律も税務もまったく異なります。いままで誰も経験したことのない新しい論点に直面するのは日常茶飯事。しかしその一方で、諦めずに自分で考えて本質にたどり着く力や、不安があっても一歩前に進んでみる勇気を身につけることができました。

画像:大泉 香欧里

業務職初の海外トレーニーに挑戦。
グローバルな知見に触れ、
自らの原点に立ち返る。

―― 海外トレーニーとして派遣されることとなった経緯を教えてください。

当時は、長く携わってきた航空機分野で、より一層専門性を身につけ業界プロフェッショナルと対等に渡り合えるという手応えを感じ始めていた頃でした。そこで、いままでとは違った視点から航空機ファイナンスに携わりたい、という想いを体現できる部署を探していました。そうした中で、すでに総合職の同期が海外トレーニーとしてDBJ Europeに赴任しており、彼らと連絡を取り合ったり、日頃から定期的にDBJ Europeの方々と協働したりするうちに、ふと「私も行ってみたい」と思ったのです。自分の経験を活かして挑戦したいという希望を人事部に直接伝えてみたところ、業務職では初めてとなる海外トレーニーとして派遣されることになりました。

―― DBJ Europeではどのような業務に従事しましたか?

欧州航空業界のサステナビリティ戦略についてのリサーチに携わりました。現地コンサルティング会社とDBJのニーズもすり合わせながらレポートをまとめ、日本に情報を発信する業務です。欧州の最先端の状況を日本に還元することで、日本の航空業界やお客様への提案に役立てていく。その一助になれたのは新鮮でやりがいもありました。また、そのような業務に携わる中で衝撃を受けたのは、欧州におけるサステナビリティへの意識の高さです。欧州全体を挙げてネットゼロを実現するために真剣に議論し、行動に移している。その様子に、私も強い刺激を受けました。「サステナビリティ」は私のDBJ入行当初からの一番の関心事でもあったので、自分の原点に立ち戻ることができたのも大きかったです。

―― いままで培ってきた日本での経験は、DBJ Europeでの業務にどのように活きましたか?

航空業界に着目したサステナビリティ戦略のリサーチは、私にとっても、DBJにとっても新しい取り組みでしたが、学生時代に専攻していた環境経済学への関心、DBJで培った航空業界に関する専門性、現地で新しく得た知見、すべてが融合したからこそできた仕事で、非常に良い経験になりました。また、日本にいた時から、DBJ Europeのスタッフと協働していたこともあり、コミュニケーションの下地が自然と作られていたことも現地でのスムーズな業務遂行に活きたと思います。

―― 海外トレーニーを通じて得られたものは何でしょうか?

最先端のサステナビリティに携わった経験は欧州というフィールドならではだったと思います。日本で航空機分野の専門性を身につけることができましたが、海外トレーニーとして環境を変えたことで、今後はサステナビリティという観点を持って業務範囲を広げていかなければならないと気づかされました。そのほかには、日本では見えなかった働き方について発見もありました。DBJ Europeでは総合職・業務職の区別は一切なく、個々の実績や得意分野などに応じて柔軟に業務内容を決めます。その環境は非常に新鮮で、もっと自由に、積極的に動くという姿勢が、自然と自分の中に根づいていました。帰国後のいまも職種の枠組みにとらわれず、できること、やりたいことをやるというマインドで業務に臨んでいます。

後輩のためにも、安心して
挑戦できる環境を作りたい。
自分自身も次のステージへ。

画像:大泉 香欧里

―― いま、大泉さんが挑戦していることは何ですか?

自身のキャリアで初めて、プロジェクトマネージャーとして案件に携わっています。論点の洗い出し、チームメンバーへのタスクの割り振りなど、全体観が求められる立場で、戸惑うことも多々あります。これまでがむしゃらに目の前の課題を乗り越えてきましたが、年次も上がり業務職の後輩も増えてきた中で、私も働き方を変化させていかなければならない。何でも自分で手を動かすのではなく、後輩たちが自ら考えて行動し、ポテンシャルを発揮していくために、自分は何をすれば良いかを考えるようになりました。

―― 業務職の後輩たちへの想いをお聞かせください。

若手の業務職には、自身の業務範囲を限定せず、主体的に仕事をしてほしいですね。いろいろなことに挑戦した方が、見える世界も働き方の選択肢も広がると思います。天井を決めず、ほんの少しでも昨日の自分より一歩先に進んでいこうという意思を持ち、挑戦することをためらわない。そのような業務職が増えていくことを願っています。そして私は、これまで先輩方が「やってみよう。失敗しても大丈夫だから」といつも声を掛けてくれたように、一人ひとりの挑戦を精一杯、後押ししていきたいです。

―― 大泉さんが目指す、今後のなりたい姿を教えてください。

これまでのキャリアで培ってきた「海外」の視点、そして自身の入行動機でもあり海外トレーニー時代にその潮流の大きさを痛感した「サステナビリティ」。それらを組み合わせて社会に貢献する、そのような人材になれたらと思っています。海外で学んだ知見を国内に還元するだけでなく、自由に自分たちで新しい取り組みを始めることが実現できる環境がDBJにはあります。DBJというフィールドにいるからには、中長期的な視野を養い、これからの世界に何が必要とされるのか、そのために自分は何ができるのかを自問しなくてはなりません。日々その答えを追い求め続けていますが、「まずはやってみる」の精神のもと、「海外✕サステナビリティ」という二つの軸で、新たな挑戦機会を生み出したいと思っています。