金融用語集

金融に関する用語を50音別とアルファベット別にまとめています。是非ご利用下さい。

は行

相手方の異なる二つの支払請求権において、一方の支払請求権の内容や変動リスクが、そのままの形でもう一方の支払請求権に反映されることを、パススルーという。たとえば、オフテイク契約上、オフテイカーに対して事業会社が負担する損害賠償義務が、EPC契約上のEPCコントラクター(建設工事請負業者)の責めに帰すべき場合には、オフテイク契約上の事業会社の損害賠償義務はパススルーでEPCコントラクターが負担する。

用船者(船舶のオペレーター)が船舶を賃借し、船長以下の船員、燃料、船用品等の全ての手配を賃借人たる用船者が負担する船舶リースのこと。用船者は、用船期間にわたり自己の所有船舶と同様、船舶の管理・運航に関する一切の責任・費用を負担する。船舶の所有者は、船舶を船員や燃料等を付けず、「裸」で用船者に賃貸することからこのように呼称されている。

2015年にCOPで合意された2020年以降の気候変動に関する国際的な枠組み。1997年に定められた「京都議定書」の後継である。「パリ協定」では、世界共通の長期目標として(1)世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること(「2℃目標」とも呼ばれる)、(2)そのために、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとること、を掲げている。「京都議定書」では対象国が先進国に限定されていたところ、「パリ協定」では途上国を含む全ての主要排出国を対象としたことなどから画期的であるとされている。

ローン契約において、返済順位において優先劣後のない同順位である旨を定めた条項。Pari Passuはラテン語であり、Pariは「同等の、等しく」、Passuは「歩調」から、「足並みを揃えて」の意。

物件や事業の価値(Value)評価のこと。アセットファイナンスにおいては、LTVの算出の基礎になり、また低廉譲渡性の判断にも利用するため、バリュエーションには正確性と理論が要求される。バリュエーションの手法としては、原価法、取引事例比較法、収益還元法等がある。

融資の返済方法において、最終回の支払が大きい場合の当該支払をバルーンという。満期一括償還(Bullet)の場合がその典型例である。

倒産隔離のこと。

投資先企業の経営に徹底的に関与する投資形態。役員等の派遣、種類株式の活用等を通して、ビジネスプランニング、経営チーム組成、アライアンス構築、特許管理、ファイナンス等を指導する。(逆に、投資先企業の経営にあまり関与しない投資形態は、ハンズオフ型。)

プロジェクトファイナンス・アセットファイナンスには必ず見られる条項の一つであり、契約締結当事者により、一定の内容に関する真実を表明し、かつ保証するもの。「保証」とあるが、債務保証の意味ではない。表明及び保証の条項に関する違反は、期限の利益喪失事由を構成する。英語ではRepresentations &Warrantiesといい、略して「レプワラ」ともいわれる。

企業が資産をリースしている場合に、その資産の所有権が企業になくても、そのリースが実質的には資産保有と同様の効果を生じている場合には、リース資産を通常の資産と同様資産計上する、というのがリース会計の考え方であり、リースであっても資産計上すべきものをキャピタルリースないしファイナンスリースといい、リース料相当分を費用計上するのみで資産計上しないリースのことをオペレーティングリースという。

アセットファイナンスの売却手続の中で、例えばオリジネーター等に与えられる優先交渉権のこと。「売却手続」の項を参照。

不可抗力のこと。

天災、異常気象等契約両当事者の責めに帰すことのできないリスクのこと。帰責事由の帰属先が存在しないので、契約上このリスクの分担に関しては交渉が必要である。例えば、発生損害額○○円以上を甲、○○円以下は乙が負担する、というように発生損害額によって分担方法を定めたり、法制・税制変更リスクを甲に、不可抗力リスクを乙に負担させる等、分担方法は様々である。なお不可抗力の一部は、保険によるカバーも可能。

あるプロジェクトの資金調達において、返済原資をその事業から生み出されるキャッシュフローのみに依存するファイナンス。担保は当該事業に関連する資産に限定し、プロジェクトを行う親会社の保証等は原則としていない。PFIにおいては、基本的に当該PFI事業のみを行うSPCが設立されること、収入は当該事業により生み出されるキャッシュフローに限られること等からプロジェクトファイナンスになじみやすい。

ラテン語で、「according to form(見積もりの意)」のことであるが、プロジェクトファイナンスにおいては、想定キャッシュフロー表をさすことが多い。

the same rateのラテン語であり、残高按分比例のこと。

法人格の利用が「法律の適用を回避するために濫用される」ような場合(濫用事例)、及び「法人格が全くの形骸に過ぎない場合」(形骸事例)に、法人格の形式的独立性を否定し会社と株主を同一視する法理を法人格否認の法理という(1969年2月27日最高裁判決)。プロジェクトファイナンスやアセットファイナンスにおいて、スポンサーやオリジネーターに対し、SPCの独立性の判断要素として検討されることが多い論点である。

プロジェクトファイナンスにおける各種リスクは、保険によってカバーされることも多い。カバーされるリスクの例としては、以下のものがあげられる。保険の目的は、その利用にカバーされるリスクを、保険会社リスクまでに引き上げることにあるので、保険会社自体の格付けも一定以上が求められることになる。

公共側が配布する、PFI事業において、求めるサービス水準、技術仕様、主要な契約条件、リスク分担、事業者の選定基準、選定方法等につき記した書類。これをもとに応募者は入札書類(提案書)を作成することとなる。一般競争入札で事業者選定を行う場合は「入札説明書」がこれに該当する。

平均値・基準値からのばらつきのことをいう。正規分布における標準偏差のことも、volatilityという。プロジェクトファイナンスやアセットファイナンスにおいては、基本的にキャッシュフローが一本であるため、各種信用補完措置、ドキュメンテーションを通じて、キャッシュフローのボラティリティーを極小化する作業が必須である。