金融用語集

金融に関する用語を50音別とアルファベット別にまとめています。是非ご利用下さい。

か行

企業の発行する社債等の債権、あるいは企業そのものの健全度・信用度等をランク付けしたもので、債権の元利払いの確実性(デフォルトの可能性)を、投資家向けに特定の記号で表す。格付けを行うのが格付機関であり、格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)、Moody's、S&P等がある。なお、各金融機関は外部格付とは別途独自の格付手法に基づいた格付けを行うことが多く、それを内部格付という。

プロジェクトファイナンスやアセットファイナンスのローン契約においては、契約の調印後、規定された一定の条件が借入人によって成就されて初めて金融機関の貸出義務が発生する、という構成になっており、この条件のことを貸出前提条件という。その主要な内容としては、貸出に関連する各種デューディリジェンス・関連契約の写などの重要書類の提出、事実の表明と保証の正確性、期限の利益喪失事由の不存在、等がある。

2017年5月に経済産業省が公表した「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス-ESG・非財務情報と無形資産投資-」のこと。企業が自らの価値創造ストーリーを投資家に伝えるにあたって必要な情報が体系的に整理されており、企業と投資家が情報開示や対話を通じて互いの理解を深め、価値協創に向けた行動をとっていくための共通言語として機能していくことが期待されている。

中立的な第三者である環境コンサルタント等が、取引対象不動産につき、アスベスト、PCB、その他有害物質による汚染の可能性が存在しているか否かを調査すること。当該不動産及び周辺不動産の経歴、現時点での管理状況、関係者へのインタビュー等はフェーズ1と呼称され、この調査により汚染の可能性が指摘された場合、表土調査、ボーリング調査等フェーズ2以降の調査にステップアップする。

純収益(NOI)を元本に変換する際に用いる利回り。すなわち、純収益=元本×還元利回り。不動産の鑑定評価(Valuation)の際に、その不動産から生じる純収益を、還元利回りで割れば、その不動産の評価額が算出される。キャップレートともいう。(例)純収益が毎年120億円、キャップレートが6%とすると、その資産価値(Value)は 120 ÷ 6% = 2,000億円。

「アレンジャー」の項を参照

「LOI」の項を参照

法制度や規制等の改正、新設によるリスク。公共が負担することが基本であるが、PFIの対象となる分野や事業者に特定したものでなく、広く一般に適用される法制度等の改正、新設においては、民間事業者の負担とすることも考えられる。

プロジェクト建設段階の不足資金がスポンサーによる完成保証により保証されるように、プロジェクト完成後の運転段階において不足資金が発生した場合のリスクをスポンサーが引き受けるのがキャッシュ・デフィシェンシー・サポートである。通常、不足資金は追加出資または劣後ローン(Subordinated loan)の形で拠出される。

還元利回りと同義。
還元利回り純収益(NOI)を元本に変換する際に用いる利回り。すなわち、純収益=元本×還元利回り。不動産の鑑定評価(Valuation)の際に、その不動産から生じる純収益を、還元利回りで割れば、その不動産の評価額が算出される。キャップレートともいう。(例)純収益が毎年120億円、キャップレートが6%とすると、その資産価値(Value)は 120 ÷ 6% = 2,000億円。

治癒期間ともいう。例えばオフテイカーによる債務不履行(ex.電力の供給停止)が発生した場合において、その事由をもって即デフォルトとはせず、契約上一定期間を設けてその期間は事業会社がサービス購入対価を支払わないが、期間中にオフテイカーによる事態の治癒を図らせるようにするケースがある。その期間のことをキュアピリオドという。

信託の引受に際して、金銭債権を信託財産として受け入れ、その債権の管理・処分を目的とする信託のこと。金銭債権とは、金銭の給付を目的とする債権であり、信託業法4条3項に、信託会社がなし得る受託財産の種類として掲げられており、引受の対象となる金銭債権の種類については特に定めはない。この信託の代表的なものとして、住宅ローン債権を信託する住宅ローン債権信託がある。

契約を締結する場合における相手方の債務の履行の確保を目的とする担保として契約の相手方から納付させる保証金を言い、債務不履行等の場合に受ける損害の賠償に充当される。関連:入札保証金

取引事例比較法、収益還元法と並び、物件価値(Value)を求める鑑定評価の伝統的な一手法で、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について原価修正を行って対象不動産の資産価格を求める手法。

複数年にわたる事業の経済的価値を図るために、各年のキャッシュフローに時間の概念をとり入れた考え方。現在価値(PV)は次の式で表される。

PV = CFt / (1+r)t (CFt:t年度のキャッシュフロー、r:利率)
例として3年後の手に入る100万円の現在価値は、r = 3%とすると、
100 / (1+0.03)3 = 91.51(万円)。

関連:正味現在価値(NPV Net Present Value)

フル・ターン・キーによるランプ・サム契約を行ったとしても、工事業者自体に義務履行能力が無ければ、リスク・コントロールの観点からは余り意味を成さない。そのため、請負業者の義務履行を保証するために、事業会社に対して銀行や保険会社がボンドを発行する(保証の差し入れ)。

公募により提案書を募集し、予め示された評価基準に従って最優秀提案書を特定した後、その提案者の提出者との間で契約を締結する方式。形式としては随意契約に該当するため、採用にあたっては調達内容が随意契約の要件を満たしていることが必要となる。関連:一般競争入札

地方自治法に定める財産(地方自治法237I)のひとつで、同法238Iに定められる不動産、浅薄、浮標、浮桟橋及びドッグ並びに航空機等で、地方自治体が条例等により、その範囲を任意に拡大したり、または縮小することは認められない。公有財産は、公用または公共用の目的達成のために使用される行政財産と、経済価値に主目的をおいた普通財産とに分類され、行政財産はさらに公用財産と公共用財産とに分類される。

物件鑑定評価において、事業が今後も継続することを想定した場合の収益価格のこと。

プロジェクトファイナンスやアセットファイナンスにおいて、対象プロジェクトが生み出したキャッシュを、各種費用、修繕費用、元利金支払等に確実に充当するために、銀行や信託銀行に信託勘定を開設し、支払の目的に応じた各種口座(←「エスクロー勘定」と呼ぶ。)を設定して口座管理を行うことが多い。

金融団との関係でスポンサーが工事完成保証を引受けることがある。保証の形態としては、スポンサーによるプロジェクト完成までの元利全額支払い保証またはスポンサーによるコンプリーション・コベナンツといった手法が用いられるが、工事完成の遅延により発生したコスト・オーバーランについてスポンサーが追加出資を行うかまたは劣後ローンを提供することを約束させるものといえる。

債券を広く一般投資家に販売する場合を公募債という。アセットファイナンスの中で、公募債による資金調達を行う場合には、有価証券届出書の提出・縦覧に約一ヶ月ほどを要する。公募債に伴う手続の煩雑さを回避するために、少数の特定の投資家に販売する私募債の形式をとることも多い。

プロジェクトの完工時には、プロジェクト計画時と比べ追加的な必要投資、工事遅延に伴う各種経費増加等により、工事費が想定額を超過するリスクが存在するが、これをコストオーバーランという。コストオーバーランは、当然に事業会社のキャッシュフローを下ぶれさせることから、事前に契約その他の方法を通じて手当をしておく必要がある。コストオーバーランに対する資金的な手当の方法については「不足資金補填保証」の項を参照。

2000年7月31日に日本公認会計士協会が会計制度委員会報告第15号として公表した「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」において、不動産流動化のオフバランス認識に関する会計上の指針が示され、オリジネーターが売却取引として会計処理(オフバランス化)するためにはオリジネーターに認められるリスク負担割合は、おおむね5%の範囲内とする旨が定められた。

融資契約における借入人の誓約事項。違反は融資契約上の期限の利益喪失事由となる。肯定的誓約(Affirmative Covenants)と否定的誓約(Negative Covenants)とに分かれ、前者では借入人による一定の行為については融資団の承諾を取得すること、各種必要書類の融資団に対する提出等を定めることが多く、後者では本件事業以外の事業遂行の禁止、事業内容の変更の禁止等を定めることが多い。

プロジェクトファイナンスの場合には融資金額を一括で実行することは稀で、プロジェクト建設の進展に応じその都度所要額が実行される。貸し手金融機関はその期間約定金額を維持し、引き出し条件が整った場合には融資実行義務を負う。コミットメント・フィーはこの貸し手のコミットメントの対価として支払われる手数料で、金利の支払いと同様各銀行の貸出承諾額の未実行残高に対する年率(%)計算で支払われる。

レンダーが借入人との間に正式な融資契約を締結する前に、レンダーとしての融資の意思を表明するために借入人に対し提示されるレター。レンダーはそのレターの中に、融資契約締結としてのコミットに至るための留保条件を付する場合が多い。

地域社会において互いに信頼関係にある企業が、相互協力を目的に資金を拠出し合い連携する仕組みの金融手法。個々の企業より高い信用を創造することができる。また、金融機関からの資金調達を円滑化し、地域の資金を地域に環流させる効果を持つ。スキームには、プロジェクトファイナンスで用いられる仕組み金融、契約技術、デューディリジェンス(融資対象に対する事前精査)などの新しい金融技術を組み込んでいる(日本では日本トラストファンドによる神戸在籍15社の例がある)。

Commingleとは混同、合同のことで、対象プロジェクトが生み出した金銭は、支払の順序に関する事前の取り決めと、口座管理を行う金融機関とが存在しない限り、親会社・オリジネーター等関係者の固有の財産と混同され、各種費用・元利金返済への必要金額の充当がなされなくなる虞があり、これをコミングリングリスクという。それを防ぐための技術が、ウォーターフォールと口座管理である。

事業権契約を参照。
事業権契約【PFI】
公共が民間事業者に事業権を付与するための契約。事業期間中における公共、民間事業者それぞれの権利、義務について定めることとなる。コンセッション(Concession)契約とも呼ばれる。一般に事業内容、事業権付与期間、民間事業者への支払いに関する規定、事業破綻時の対応、契約終了時の規定、介入権等が定められる。

共同体。PFI事業においては一般に、業務が設計、建設、修繕、清掃、警備等多岐にわたるため、複数の企業がコンソーシアムを形成し、事業を遂行することが多い。

「貸出前提条件」の項を参照。
貸出前提条件(Conditions Precedent)
プロジェクトファイナンスやアセットファイナンスのローン契約においては、契約の調印後、規定された一定の条件が借入人によって成就されて初めて金融機関の貸出義務が発生する、という構成になっており、この条件のことを貸出前提条件という。その主要な内容としては、貸出に関連する各種デューディリジェンス・関連契約の写などの重要書類の提出、事実の表明と保証の正確性、期限の利益喪失事由の不存在、等がある。

「キープ・ウェル・レター」の項を参照。
キープ・ウェル・レター(Keep-well Letter)
スポンサーがローンの貸手に対して、プロジェクト会社をしかるべく指導、監督し、存続せしめる旨を確約するものである。コンフォート・レター(Comfort Letter)と呼ばれる場合もある。いわば経営支援念書で、形式的には念書(Letter)、引受(Undertaking)、契約(Agreement)など様々な形態がある。