金融用語集
金融に関する用語を50音別とアルファベット別にまとめています。是非ご利用下さい。
さ行
さ
プロジェクトファイナンスにおいて、一定の財務比率を維持することを借入人に誓約させる条項であり、ローン契約上の誓約的条項(コベナンツ)の中で借入人に誓約させることが多い。具体的には、DSCRを一定比率以上に保つ旨を誓約させる条項等が代表的。
借金などの取り立てを専門とする債権回収専門業者。日本でも1999年2月の「債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)」の施行により、民間債権回収会社の設立が可能となった。
PFIにおける基本的な事業形態の一つ。民間事業者が公共の要求水準に合うサービスを提供し、公共がサービスの提供に対して対価を支払うタイプ。我が国においては神奈川県が実施した「神奈川県衛生研究所」、調布市が実施した「調布市立調和小学校」等の事業がこのタイプに該当する。関連:独立採算型、ジョイントベンチャー型
政府保証が付されておらず、各財投機関それぞれの信用力もしくは資産の信用力に基づき発行される債券。
歳出予算の金額、継続費の総額または繰越明許費の総額の範囲内におけるものを除くほか、地方公共団体が債務を負担する行為につき、その行為の内容として定めておくもの(地方自治法214)。複数年にわたる債務の履行に関して設定されることが多い。PFI事業においてもサービス購入型を始め、複数年の事業期間にわたり地方自治体の支出がある場合は、その期間、限度を定めて債務負担行為を設定する必要がある。
「持続可能な発展」という意味であり、「将来世代の要求を満たしつつ、現在の世代を満足させるような発展」と定義され、経済的・社会的発展と環境保護との調和、現在と将来の世代間の利害調整を適切に行うことを目指す概念。設立根拠法の日本政策投資銀行法第1条(目的)において「経済社会の持続的発展("sustainable development of the economy and society")」に資することが、業務目的の一つとして明記している。
下請業者のこと。EPCコントラクターが建設工事を更に下請させる場合等が想定されるが、その場合には、EPC契約上、
- 1サブコントラクターの選任については事業会社の事前の書面による承諾を得ること
- 2サブコントラクターの選任、管理、監督についてはEPCコントラクターが責任を負うこと、等を規定しておく必要があろう。
し
公共が民間事業者に事業権を付与するための契約。事業期間中における公共、民間事業者それぞれの権利、義務について定めることとなる。コンセッション(Concession)契約とも呼ばれる。一般に事業内容、事業権付与期間、民間事業者への支払いに関する規定、事業破綻時の対応、契約終了時の規定、介入権等が定められる。
会社設立後2年以内に、設立以前より存在する財産で営業のために継続して使用すべきものを、純資産の20分の1以上に当たる対価をもって取得する契約をする場合には、株主総会による特別決議が必要である、というもの。将来のアセットファイナンス案件に備えて2年以上前にSPCを設立しておくケースもある。
改正SPC法(「資産流動化法」とも)。「SPC法」の項を参照。
SPC法
旧SPC法の名称は、「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」。1998年9月施行。立法目的は、
- 1特定目的会社(SPC)を活用した資産流動化の促進
- 2不動産流動化業務の適正確保
- 3投資家保護。旧SPC法はスキーム上の制約も多く、不動産証券化等には馴染みにくい面があるとの指摘をふまえ、2000年11月に改正法施行(改正SPC法の名称は「資産の流動化に関する法律」)。
特定資産の流動化に係る業務に関する基本的な事項を記載するもので、ディスクロージャーによる投資家保護を図ることを目的とし、SPC法上に定められている。資産流動化計画の計画期間、特定資産の譲渡人の氏名または名称、取得(予定)価格をはじめ、総理府令・大蔵省令により必要記載事項が定められている。計画の変更は、反対者への買取請求権付与を前提とした特別多数決を経ない限り(改正SPC法)原則として認められない。
治公金の徴収もしくは収納または支出の権限を私人に委任し、または私人をして行わせてはならない(地方自治法243)とされているが、(1)使用料、(2)手数料、(3)賃貸料、(4)貸付金の元利償還、に関しては収入の確保及び住民の便益の増進に寄与すると認められる場合に限り、私人にその徴収または収納の事務を委託することができる(地方自治法施行令158I)。PFI事業については「公の施設の管理委託」の項参照。
支出を償うに足る収入を得ること。
原価法、取引事例比較法と並び、物件価額(Value)を求める鑑定評価の基本的な一手法で、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現価の総和を求めるもの。純収益を還元利回りで還元して、対象不動産の価格を求める。
信託行為に基づき、受益者が信託財産から受ける利益。内容としては、信託財産の管理・運用による果実を受領する権利や、信託終了の場合に元本交付を受ける権利等。受益権は、原則として譲渡性を有し、質権設定も可能。
委託者が信託の利益を与えようとした受益権の主体となる者をいう。アセットファイナンスにおいては、当初の受益者はオリジネーターであるが、受益権譲渡契約に従って受益権はオリジネーターからSPCに債権譲渡されることに伴い、最終的な受益者はSPCとなる。
相互に提供する資料・情報に関し機密保持を遵守する旨定めた契約で、プロジェクトファイナンス、アセットファイナンスでは、案件の検討の開始に先立って締結することが通常である。契約においては、秘密保持に加え、情報提供者による情報の真実の保証や、秘密保持期間等も定める。
対象不動産が将来生み出すであろうと期待されるキャッシュフロー。NOIともいい、不動産の収益価格を収益還元法を用いて算出する際に不可欠な要素となる。
PFIにおける基本的な事業形態の一つ。公共が出資はするが経営には関与しない事業、補助金・政府融資・施設移転など公的支援を受けながら民間が運営する事業等が挙げられる。この場合、公共の負担は民間収入では賄えない社会便益の部分を主に担うことになる。関連:サービス購入型、独立採算型
本行の貸付金の償還が確実と認められる場合に限り貸付を行うこと。
施設の構造、建設、施工方法、資材等について発注の段階において発注者から詳細な指示のある発注のこと。関連:性能発注
NPVの項参照
NPVは、プロジェクトから生み出されるネット・キャッシュ・フロー(元利返済前)の割引現在価値から投下資本の現在価値を差し引いたものである。NPVがプラスであると、プロジェクトから生み出されるキャッシュ・フローの価値が実際に投下する資本の価値を上回るということであり、投資する価値のあるプロジェクトであるという判断となる。
英国のPFI事業者選定手続においてロングリスト(Long List)作成後に、技術、資金調達、価格等を含め具体的かつ詳細に検討された結果作成される最終的な入札者のリスト。ショートリストに掲載された各事業者から最終案の提示を受け、それをもとに優先交渉権者が決定される。
(当該株式の時価にかかわらず、)当該新株予約権発行時に決められた価格(「行使価格」)で当該株式を購入することができる権利。
従来型担保(土地・建物等の不動産担保、有価証券担保等)が不足している成長企業に対し、当該企業の新株予約権を取得して実施する融資。
アセットファイナンスにおいて、流動化対象資産が一つである場合をシングルアセットという。流動化対象資産は、複数で(=マルチアセット)かつ業種的にも地理的にも分散が利いている方が、流動化のリスクは軽減する。
幹事金融機関(アレンジャー)が複数の金融機関をとりまとめてシンジケート団を組成し、単一の契約証書で同一の約定条件に基づいて行う融資の形態。通常、参加金融機関の債権は譲渡可能となる。
真正売買を参照。
真正売買
真正譲渡ないしTrue Saleともいう。アセットファイナンスにおける倒産隔離の検討の際の主要な項目であり、オリジネーターからSPCへの資産譲渡が法的に有効かつ確実に行われていることを指す。真正売買が成立していないと、当該契約は譲渡担保付き融資契約とみなされ、オリジネーターの倒産時にはオリジネーターの更生債権や破産財産として扱われることになる。
財産権を有する者(=委託者)が信託契約等により、委託者以外の他人(=受託者)に財産権(=信託財産)の名義と管理処分権を付与し、受託者は一定の目的(=信託目的)に従って、委託者本人または他の第三者(=受益者)のために、受託者にその財産権を管理(運用、改良、開発などを含む)または処分(売却、地上権、抵当権、賃借権などの設定)させる法律関係。不動産流動化では信託が用いられるケースが多い。
信託の設定行為に基づいて、信託の趣旨に従って一定の目的に適合する管理または処分される対象として、委託者から受託者に移転される財産。
プロジェクトファイナンス、アセットファイナンスにおいて、案件の信用度を高めるための措置のこと。例としては、各種リザーブ(積立金)、ローンの優先劣後関係、保険の付保、クレジットデリバティブ、キャッシュデフィシェンシーサポート等。キャッシュフローの下ぶれリスクと、そのリスクによって生じうる最大損失額を算出し、各リスクに対応する信用補完措置を考案することが、ファイナンススキーム構築の基本的内容となる。
す
上場企業が行う企業統治(コーポレートガバナンス)の向上に向けて、機関投資家が尊重すべき諸原則を定めた規範。コーポレートガバナンス・コードと同様に2008年のリーマンショックを契機として策定された。日本においては、2014年に金融庁が「責任ある投資家の諸原則-日本版スチュワードシップ・コード-」を公表しており、機関投資家が対話を通じて企業の中長期的な成長を促していくことが期待されている。
地方自治体が、任意に選定した相手方と契約を締結する方法。地方自治体の契約は一般競争入札が原則であり(地方自治法234II)、随意契約は地方自治法施行令167条の2Iに掲げる要件に該当する場合のみ可能。なお、都道府県、政令指定都市においては「地方公共団体の物品等または特定役務の調達手続の特例を定める政令(特例政令)」が適用され、この要件を満たしたときのみ可能である。関連:WTO政府調達に関する協定。
物件鑑定評価において、上物の収益価値が乏しいと判断された場合に、当該物件の除却費用を控除した更地価格をもって把握した価格。
アセットファイナンスにおいては、出口戦略として、融資期間後にテイル期間を設け、その期間に物件の第三者への売却を図ることにより、元利金返済のための資金調達スキームを構築することが通常である。このテイル期間は融資の償還期間を超えた期間であるが、この期間についての金利を遅延損害金とはせず、償還期間中の金利に200~300bpを上乗せした金利を課すことが多い。これをステップアップ金利という。
介入権の項参照。
介入権(Step-in Right)【PFI】
事業継続のために事業に介入する権利のこと。(1)発注者(PFIの場合公共)による介入権と(2)金融機関における介入権が想定される。関連:直接契約,契約上の地位譲渡
仕組み金融。事業の立ち上げ、操業期間、その他多様な場面におけるリスクを回避するために、契約や金融技術を駆使することによって、信用リスクをコントロールする金融手法。
せ
税制の変更、新設によるリスク。規制リスクと同様に広く一般に適用される税制の改正、新設においては、民間事業者の負担とすることも考えられるが、当該改正等が民間事業者の収支に大きな影響を与える場合は公共の負担も必要であろう。
借地借家法上、借地契約や建物賃貸借契約については、借主保護の観点から、期間満了や解約申入れをもって即解約とはならず、貸主が契約の更新拒絶や解約の申入れを行いうるためには「正当事由」を要するものと定められている。「正当事由」は、双方が当該不動産の使用を必要とする事情、建物の利用状況、いわゆる立退料に係る提案内容等を考慮して判断される。
発注者が求めるサービス水準を明らかにし、満たすべき水準の詳細を規定した発注のこと。施設の仕様について詳細に規定するのでなく、「○○という条件を満たす施設」という規定の仕方になるので、民間事業者が構造や材料、維持管理の方法等について要求水準を満たす枠内で自由に提案することが可能である。関連:仕様発注
政府保証が付された、財投機関が発行する債券。
プロジェクトファイナンスにおける担保のメカニズム。担保取得の趣旨は、(1)担保実行によりプロジェクトを支配し、事業継続を図る道を確保する(2)第三者からの権利行使の排除の点にある。特に(1)の目的実現のために、プロジェクトから発生するキャッシュフローに加え、プロジェクト継続に必要な全て(諸契約上の地位、SPCの株式等)を担保取得し、ステップ・インをスムーズに行えるストラクチャーを事前に構築する。
オリジネーターが既存のアセットをSPCに売却し、SPCとオリジネーターとの間でそのアセットに係る賃貸借契約を締結(リースバック)することにより、オリジネーターがSPCに賃借料を支払い自社利用を継続する流動化の典型スキーム。
事務処理の委託等を受けた者(受託者)が委託者に対し負う注意義務について、要求される注意の程度を表すもの。注意義務が尽されたかの判断において、当該受任者の個人的能力ではなく、当該委託等に関する合理的・平均的な水準の能力を有する受任者が基準とされることを意味する。法律上、取締役は会社に対し同義務を負う。また、シンジケートローンのエージェント、アセットファイナンスにおけるアセットマネージャーのように、契約に同義務が規定されることもある。